海老芋

京野菜【海老芋の栽培方法】熱中症対策は基本が大事・ファン付き作業服も効果大

7月は、「海老芋」の管理作業が最もつらい時期ですが、熱中症リスクが高まる時期でもあります。この記事では、安全に作業を行うための熱中症対策について紹介します。(海老芋17)

7月は曇りの日でも注意

 熱中症は、厳しい暑さの日だけでなく、曇りや雨で湿度が高い日も危険が高まります。7月は梅雨とも重なるので熱中症リスクが一番高い時期かもしれません。次の6つの注意を怠らず農作業を行ってください。

①小まめに水分補給する
 作業に集中すると渇きを忘れてしまうことがあります。特に高齢者は渇きや高温を感じづらくなります。20分ごとを目安にコップ1杯の水分補給をしましょう。

②水分だけでなく塩分も補給する
 大量の汗をかいた時は塩分補給も必要です。水や麦茶よりスポーツ飲料にしましょう。できれば緊急時に備え吸収に優れた「経口補水液」も用意しておくと安心です。

③昼の前後は作業を避ける
 お昼の前後2時間は1日の中で最も暑くなります。「お昼までにやってしまおう」と考え無理に作業を続けるのは、とても危険です。少々早めでも昼休みにしましょう。

④服装に気をつける
 半袖シャツではなく長袖、半ズボンではなく長ズボン、野球帽ではなくツバ広帽にすると、日差しを多く防ぐことができ熱中症リスクを下げます。「空調服」もお勧めです。

⑤黒玉式熱中症指数計の導入
 「黒玉式熱中症指数計」は炎天下でも「WBGT値(暑さの指数)」を計測できるので、露地圃場など様々な現場で携帯する取り組みが広がっています。
 熱中症リスクが高まると、大きな警告音で注意を促してくれます。三脚などに取り付けると圃場に設置することもできます。

⑥体に異常を感じたら無理は禁物
 めまい、頭痛、吐き気などを感じたら、直ちに作業を中止し、涼しい場所で体を冷やしましょう。熱中症は急に症状が悪化するため、人を呼ぶことが難しいほ場内で倒れたら大変です。無理せず、健康な状態で農作業を行いましょう。

<ファン付き作業服>は風ではなく気化熱で冷却

 空調服等の「ファン付き作業服」は小さなファン(送風機)が付いた作業服のことで、夏の作業を熱中症対策にとても有効です。

 「ファン付き作業服」の仕組みは、まず、バッテリーで動く小さな送風機を作業着に取り付け、服の中に外気を取り込みます。そして、服の中で空気が大きく動き、汗を蒸発させ、体から熱を奪います。

 周りの気温が高いと、効果がないのでは、と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、安心してください。服の中に冷たい空気を取り込むのではなく、汗の蒸発で体を冷やす仕組みなので外気が暑くても体温を下げることができます。

 普通の作業服では、風が吹かなければ、汗は蒸発し難くなるので、体温が急上昇して熱中症の危険が高まってしまいます。一方、「ファン付き作業服」は、機械で常に風を送っているため、体温が上昇することを防ぎ続けてくれます。

 そのため、屋外の作業だけでなく、エアコンが無い部屋や、風が吹きこまない部屋などの屋内でも効果があるので、幅広い農作業で役に立ちます。また、エアコンを使わないことで、コスト削減や冷房病予防にもつながります。

 使用するバッテリーが一番高額ですが、冬に体を温める「電熱服」でも使用でき、コストパフォーマンスの高い商品とも言えます。
 また、バッテリーと送風機を取り外せば洗濯が可能となるので、毎日、作業着を清潔に保つことができます。

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まとめ

 7月は熱中症リスクが一番高い時期かもしれません。「こまめな水分補給」「塩分も補給」「正午の前後は作業を避ける」「日差しを防ぐ服装をする」「黒玉式熱中症指数計の使用」「無理しない」などの対策を実行しましょう。「ファン付き作業服」も効果的です。

“Kyoto Vegetable: Ebiimo Cultivation Techniques – Staying Cool Starts with the Basics; Fan-Cooled Workwear Makes a Big Difference.”

July may be the month with the highest risk of heatstroke. It’s important to take preventive measures such as staying hydrated regularly, replenishing salt, avoiding outdoor work around noon, wearing clothing that protects from direct sunlight, using a black-globe-style heat index monitor, and not overexerting yourself. Fan-equipped workwear is also effective.