猛暑対策として最近注目されている「細霧冷房」ですが、変な方法で導入されているビニールハウスを見るようになりました。この記事では、導入する時の注意点について説明します。(万願寺とうがらし23)

せっかくの「細霧冷房」が事態を悪化させていませんか
スプリンクラー等による散水と違い、「細霧冷房」から出てくる水は、その名のとおり細かな霧ですから、万願寺とうがらしの葉がべたつきにくくなっています。が、だからといって出てくるのは水に変わりありません。
べたつきにくいからと言って、長時間稼働させるとハウス内の湿度が跳ね上がります。「効果を高めるにはたっぷりやる必要がある」とかいう方がいましたが、目的を見失っていませんか。
「細霧冷房」の目的は「気化熱で温度を下げる」ためで「ハウス内の湿度を高める」ではないでしょう。
ハウス内の湿度を上げてしまうと、葉の蒸散が抑えられ、地上部での水分移動も抑えられます。そうなると、水分と一緒に移動するカルシウムの動きも抑えられ「尻腐れ症」が発生しやすくなります。
さらに悪いことに「霧を充満させるのだ」という方は、ハウスをしめ切っていたりします。もう、何がしたいのでしょうか。
「細霧冷房」のコツは超短時間噴霧
では、どうするのが良いかというと「湿度を上げ過ぎない量の霧で冷やす」です。その方法は「秒単位の噴霧を頻繁に行う」となります。
「ハウス内へ超短時間の噴霧を行って気温を下げ、水蒸気が抜けた頃に再度噴霧」これをくり返す(必要なら夜間も)わけです。
たとえば「10分間隔で10秒間噴霧」といった具合です。(ハウスの状況により変わるためあくまで一例です)
そうなると資材選びが重要となってきます。特に「秒単位でコントロールできる電磁弁」「通水時短時間で作動する」「停止時に水滴が垂れないノズル」が大切な性能です。
短時間で作動するというのは「潅水チューブのように電磁弁が開いてもチューブが膨らまないと散水を開始しないのはダメ」ということで、スプリンクラーの方が適していると言えます。
*参考:クールネット(住化農業資材株式会社)
スミサンスイと違いたわみ部の水たれがありません。
*参考:ハウスフォガーシステム(株式会社イーエス・ウォーターネット)
プラスチック製なので薬液散布もできます。
*参考:細霧冷房オートレイン(スナオ電気株式会社)
超短時間制御が可能なコントローラーです。
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まとめ
「細霧冷房」は高温対策に有効な設備ですが、稼働方法に注意が必要です。長時間噴霧してしまうと、ハウス内の湿度が上昇し生理障害が発生しやすくなります。そのため、噴霧時間は秒単位で行い、それを頻繁に繰り返しましょう。
Kyoto Vegetables – Cultivation Method for Manganji Sweet Peppers: High-Temperature Countermeasure (5) – Mist Cooling System Controlled by the Second
Mist cooling systems are an effective countermeasure against high temperatures, but careful operation is essential. Prolonged misting can raise humidity levels inside the greenhouse, increasing the risk of physiological disorders in the plants. To prevent this, misting should be controlled in second-long bursts and repeated frequently.