この記事では、遅い土寄せが招く秀品率低下リスクについて、3つ目の原因を紹介します。(海老芋32)

今回は「長」というより、昔あった規格「細」ができてしまう事例を紹介します。「細」はひょろっと長いため本来は規格外扱いなのですが、「低価格の長」として出荷されることもあります。
買う方の中には「同じ大きさで輪切りにできるから便利」などと言う方がいますが、こうなると海老芋ではなく別のサトイモの扱いですね。まあ、その方がそう思うのならそうなんでしょうあなたの中ではね。
「細」は、土寄せ量が適正なので「がんばって働いた感」はありますが、結果がこれでは残酷な物言いですが働き損のくたびれもうけです。
時期がとんでもなく遅いので「芋が伸びただけ」

典型的な「細」です。本来は、遅くから発生した子芋が「すでに寄せられている土の中を伸びていった結果」細長い形になるわけです。
ところがこんな「立派な細」は、わざと作らないとできません。土寄せ時期がとんでもなく遅すぎるのに寄せる量は正しいと、子芋にしてみれば「今頃どかんと来たのかよ」となってしまいます。
なので、芋が伸びるのに時間がかかり「肩を張らせる」時間がなかったわけです。
典型的な「人為的な細」ですが、汗水たらして土寄せしたのは間違いないため、認知バイアスなんかにより「秀」で出荷する農家がいたりします。しかし、まともな部会なら注意が入るでしょう。
気持ちはわかりますから、ちゃんとした人から講習を受けたほうがいいです。
回数を余分に行ったので「芋がまた伸びた」

その回数で土寄せを終了すればよいのに、さらに行ってしまった場合に見られます。子芋が伸びて「さあ肩を張ろう」とした時に土が被せられるわけですから、子芋にしてみれば「嫌だけれど再度伸びないとしょうがない」状況に置かれてしまったのです。
この事例は、土寄せ回数を厳密に指導された場合に発生しやすくなります。例えば「土寄せは4回」と指導されたので、土寄せを終わらせないといけない時期にまだ3回しかできていなかったので、やってはいけない時期に4回目を行ってしまう場合です。
土寄せの回数は、時期と量さえ計画的に行えば、何回行ってもかまわないのです。極端なはなし10回だってかまいませんよ。これ知らない技術者が多いですね。
2回目と3回目の間隔が空きすぎて「腹から発根」

2回目の土寄せから3回目まで期間を開けすぎるとできてしまう事例です。芋の中間に曲がった部分がありりますが、これは2回目で開き気味に芋が伸び、3回目では少し直立して伸びたからです。
このこと自体は海老芋の特徴である「曲がり」を現しているので良い生育です。しかし問題は、その曲がったところから多くの発根が見られることです。これだけ根が発生してしまうと、芋の内部に影響が出てしまい食味への影響が懸念されます。
では、なぜ根がたくさん出てしまったかというと、その部分が地際部だった期間が長かったからです。つまり、発根した部分は2回目の土寄せ後の地際部ですから、3回目を実施するまでの間隔が空きすぎたと言えるでしょう。
親芋の肥大状況を詳しく見た方ならわかると思いますが、定植後の新根は種芋から発生するのではありません。「肥大を開始した株元=将来の親芋」から発生します。
これと同様の現象が子芋にも発生してしまったため、余分な発根が行われたというわけです。
なお、3回目までの間隔をさらに広げてしまった場合は、発根だけでなく芋が肥大してしまうことになります。時々「瓢箪を引き延ばしたような芋」を見かけたりするのはこれが原因です。
なおこの写真の例では、4回目の効果が確認できませんが、これは時期が遅すぎて芋に影響がなかったためです。ただし茎には影響が出ており、芋の上には「白く長い茎」ができています。これは白ズイキと呼ばれ食材として珍重されたりはしますが、海老芋づくりとは関係ない話になってしまいます。
*海老芋の記事をもっと読みたい方は⇒https://qyasai.com/summary-article/
Kyoto Vegetables [Ebi-imo] – Cause of Deformation (3): Late earthing-up results in an elongated shape.
In this article, I will introduce the third cause of the decline in the proportion of top-grade products brought about by late earthing-up.

