海老芋

まだ早いと思っても潅水・ここで大きな差ができる(海老芋10)

この記事では、海老芋の初期生育を促進させる早期潅水について説明します。

活着までは「潅水禁止」

 定植後の「不織布トンネル被覆」により「株元を適度に乾燥」させることで活着を促進されます。活着が完了すれば、栽培管理は次のステージに移行します。
 逆にやってはいけないのが、ホースを引っ張ってきて行う「株元潅水」です。これをすると活着が遅れなかなか次の管理に移れません。

 さらにもっとやってはいけないのが、一株ずつ潅水するのがめんどうなので「定植溝を圃場内で一番深く掘って水をためる」ことです。
 これをやると、いつまでも活着せず「肥料不足で黄化」したり「根量不足で春なのに葉枯れ」したりろくなことになりません。

 圃場内の溝を浅い順にならべると うね間通路>定植溝>額縁明渠>排水桝>圃場隣接排水路 です。絶対守りましょう。

葉を観察して活着を判断

 では「活着の判断」はどうしたらよいのでしょうか。それは「葉数」と「葉の大きさ」で判断します。

 「葉数」は「葉の枚数が一定間隔で増えているか」を見ることです。次々と展葉していけば根も順調に広がっている証拠です。しかし葉の展開が止まった時は要注意です。

 「葉の大きさ」は「新しい葉ほど大きくなっているか」を見ることです。根が基肥を適切に吸収している証拠です。新葉の方が小さい時は肥料が吸えていません。

 この2点を観察し、活着したと思ったら遅れず次の管理を開始しましょう。

活着したら「うね間潅水」

 活着後は根がうねの中を広がっていくような管理を開始します。それが「うね間潅水」です。うね間潅水を行う場所は「通路」ですから、そこを湿潤に保つことで「株元から根を誘引」しようという作戦です。
 潅水の頻度は「通路が乾いたら行う」ようにします。活着後の根はとても水を欲しがっていますから、しっかり答えてあげましょう。

 ここで、一つ注意点があります。活着後は「うねの上を歩かない」ことです。土をしめて固くしてしまうだけでなく、せっかく伸びてきた根を切ってしまいかねません。

まとめ

 活着するまでは「無灌水」とし、活着したら「うね間潅水」を開始します。活着の判断は「葉の枚数と大きさ」で判断します。

Even if it seems too early, irrigate—this is where a big difference is made. (Ebiimo 10)

“Until establishment, avoid irrigation. Once established, begin ‘ridge-gap irrigation.’
Establishment is determined by the number and size of leaves.”