孫芋やひ孫芋の出荷規格「こえびちゃん」は厳しく設定されているため、そこから外れた芋が直売所に回ることも多くあります。しかし、この「こえびちゃんもどき」を買う時は、袋の中をよく見てから買いましょう。出荷規格に載っている「セミ」が入っていたらお買い得ですが、古い規格の「セミ」が入っていたら買ってはいけません。(海老芋29)

12月に入り、京都産海老芋の出荷が真の最盛期を迎えてきます。なぜ真なのかというと、10月は山城地域からえびいも王国プロジェクトに合わせて無理に早出しするので単価は高くても量が少なく、11月は府内外から出荷が始まるので量は多くなるものの単価が低下しがちなので府内産は良いものを出し控えしておりコスパ悪い、12月になると京都では絶対必要な時期なのでたくさん出しても値崩れしないからためていた良いものがはきだされるからです。つまり「高いけど良いもの」が買いやすいので真と呼んだわけです。
などと書きましたが、今回は料亭等が使う「秀」についてではありません。すみません。今回は、一般の人が買いやすい「こえびちゃんになり損ねて直売所に出てくる孫芋」を買う時の注意についてです。
規格の「セミ」は新旧の2種類がある
「こえびちゃん」は全てがブランド品というわけではありません。形でいえば「丸」規格でないとダメなのです。この段階で結構たくさんの孫芋・ひ孫芋がブランドから脱落します。
このブランドになれなかった形は主に「セミ」です。「セミ」という等級は「丸になれず胴部が扁平になったもの」と考えるとわかりやすいでしょう。
ただしこの「セミ」には、その成り立ちの違いにより新旧2つの種類があります。そして明確な味の違いがあります。しかし京都府内でも、時々混同されているのを見かけてしまうので困ったものです。
在来系統を使用していた頃の規格「旧セミ」は、親芋にくっつくようにできる子芋のことでした。
その付き方が「セミが木にとまっている」ようなので「セミ」と名付けられたわけです。
しかし「京都えびいも1号」や「同2号」という「多収性品種」が登場してからの規格「新セミ」は、片一方が扁平な孫芋・ひ孫芋のことです。
芋の形が「セミに似ている」から名づけられたようですが、ややこしくなる原因となってしまいました。
ところが、この2種類の「セミ」には大きな違いがあり、ちゃんと区別して買わないととても不幸な結果になってしまいます。
それは「新セミは美味しい」けれど「旧セミは不味い」からです。
旧セミが混じっていたら買わない
「新セミ」の方は、「京都えびいも1号」や「同2号」 が多収性を発揮したことで、孫芋やひ孫芋が「密」に着生してしまい、芋同士が接触し「接触面が平らになってしまう」ことでできる芋のことです。
そのため、見てくれが悪いだけで味は「丸」と変わりません。つまり、ブランド品の「こえびちゃん」に近いため、とてもコスパが良いと言えます。
しかし「旧セミ」は、親にへばり付いてできる「ヒネた子芋」なので「不味い芋」です。そもそも子芋なので孫芋の味はしませんから。
なので昔から「食べられない芋」として出荷されませんでした。
また「旧セミ」は、食べられないだけでなく「発芽力も劣る」ため、種芋としても使用できず何の役にもたちません。
このように大きな違いがあるため、直売所などで袋詰め子芋を買う時は、「旧セミ」が混ざっていないかをよく見て選んで買いましょう。
Kyoto Vegetables [How to Grow Ebi-imo] – Be Careful of Cicadas When Buying “Grandchild Tubers” at Direct Sales Markets
Because the shipping standard “Koebi-chan” for grandchild and great-grandchild tubers is set very strictly, many tubers that fall outside the standard end up being sold at direct sales markets. However, when buying these so-called “Koebi-chan lookalikes,” be sure to check inside the bag carefully. If it contains “Semi” tubers listed in the current shipping standard, then it’s a good bargain. But if it contains “Semi” tubers from the old standard, you should not buy them.

