海老芋

京野菜【海老芋】種芋の貯蔵③最適な貯蔵環境(その2)途中でリセット

 このシリーズでは、来年度の栽培の出発点となる種芋の貯蔵について、気をつけるべき4つのポイントを紹介します。今回は、貯蔵環境の2回目で、種芋の貯蔵中に実施するリセット作業についてです。(海老芋40)

貯蔵環境を積極的にリセット

 いくら最適な貯蔵環境を作り上げても、それの環境を継続させなければ意味がありません。かといって機械化しようとすると、生産量が少ない品目なのでコスパが悪すぎます。

 京都府の産地では、「常時」ではなく「悪化する前にリセット」する方法がとられています。そのリセットとは「貯蔵場所から種芋を取り出し外気に当てる」というもの。これなら個別の農家で取り組み可能ですね。

 そのため、貯蔵方法は「種芋を容易に出し入れできる」ことが大切になります。ですから「埋設貯蔵」なんて論外です。

 リセット方法はとても簡単。種芋が入った米袋などを取り出し、ブルーシート等の上に広げるだけです。

 簡単な作業ですから、貯蔵中の1月~2月前半に2回~3回行うことをお勧めします。(忙しくても必ず1回は行ってください)

3つのリセット

 この作業を行うと、3つのリセット作業を実施できます。

 1つ目は、貯蔵中に高まった湿度を下げる作業です。種芋を外気にさらすことで、芋表面を乾かすことができます。

 なお、米袋を使用した時は、袋の乾燥も忘れないでください。袋が湿気たまま種芋を入れたのでは目的が達成できていません。

 2つ目は、腐敗した・腐敗しそうな芋を廃棄する作業です。健全な芋に腐敗が及ぶことを防ぐことができます。

 また、次の3つ目と合わせて、種芋の数量を把握できます。そのため、ここで足らずがわかれば、種芋を追加する手立てを早期に開始できます。

 3つ目は、出荷作業に追われ甘くなりがちな選別を補完する作業です。頂芽の良し悪しなどを詳しく行うことで、育苗に適した種芋が把握できます。

 良質な種芋は健苗育成に不可欠なので、次年度の収量を大きく左右します。頂芽が微妙な芋まで育苗するより、種芋を追加するという判断も大切です。
 リセット作業は1月~2月に行うので、いまいちな芋はこえびちゃんで売ってしまうのもお勧めです。

 なお、「良い種芋が予定より多く確保できている」場合も、JAなど部会事務局に連絡しましょう。他の部会員に足らずが出た場合とても助かります。意外と忘れがちなことですね。

リセット時の選別例

 リセット時の選別作業の目的は、腐敗などのマイナス要因を取り除くだけでなく、健苗育成に適した良い状態の芋を「育苗前に」確保しておくことです。
 次の事例を参考に、積極的に実施しましょう。

●腐敗した種芋を除去し、周囲に感染が広がらないようにする

●頂芽が傷み始めたものは、非常用種芋に格下げする

●頂芽が小さすぎるものは、予備用種芋に格下げする

●種芋として「好適、予備、非常用」など実用的な分類を行い、小分けし直す

●種芋数に不足が予想される時は、速やかにJA等に連絡し種芋の確保や苗の発注を行う

●種芋数に余裕がある場合もJA等に連絡し、足らずが出る農家への支援に使ってもらう

Kyoto Vegetables – Ebi-imo
Seed Tuber Storage (3): Optimal Storage Conditions (Part 2)
Restarting from the Middle

In this series, we introduce three key points to keep in mind when storing seed tubers, which serve as the starting point for next year’s cultivation.
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