この記事では、賀茂なすの潅水に必須な潅水チューブの洗浄方法を紹介します。
潅水チューブの種類と特徴
「賀茂なす」に限らず「万願寺とうがらし」などの果菜類では、ハウスだけでなく露地もマルチ内に潅水チューブを設置して「潅水と追肥」を行います。
使用する潅水チューブには「両面散水式」と「フィルター内蔵・片面散水式」があります。
「両面散水式」は、青色などの透明チューブの両面に穴が開いているものです。穴はパンチで一気に開けるため両面に穴があり、行程が簡易なので安価です。
チューブを設置した時、両面に穴があるため上下に散水します。また、穴が大きめなので少量潅水には向きませんが、果菜類のように多量潅水する場合は問題ありません。
「フィルター内蔵・片面散水式」は、黒色などの不透明チューブの真ん中にフィルターが入っていて、片面だけに穴が開いているものです。水を通すのは穴の開いていない側で、その水がフィルターを通り穴のある側へ行くときに汚れやゴミを除去できます。
濾過されたきれいな水を散水できるため穴を小さく精密につくることができ、様々なかん水方法に対応できます。ただし構造が複雑なぶん高価になります。
＊参考「潅水資材 製品情報サイト」住化農業資材株式会社
穴づまり解消の掃除方法
安価な「両面散水式」なら使い捨てできるので穴づまりはあまり気にしません。むしろ「もったいないなあ」と使い捨てしない時は、耐久性が低いので潅水が頻繁になる夏にちぎれることが多く手間が増えます。
「フィルター内蔵・片面散水式」は、高価なので毎年新品というわけにいきません。そして中古チューブは設置する前に必ず内部の掃除が必要です。
フィルターを装備しているため、使用中はゴミをとってくれますが、使用後はそのゴミが詰まっています。なので次に使う前にはゴミ掃除が必要なのです。空気清浄機のフィルター掃除と同じですね。
掃除には「タワシとスポンジ」を用意します。タワシは小型の亀の子タワシが穴にフィットしやすいです。
まず亀の子タワシをペンチ等でまっすぐに伸ばし、チューブの穴の開いていない側に差しこみます。次にひねったスポンジをタワシの後ろに差しこみます。
チューブにホースをつないで強く水を流し、チューブの反対側に向けてタワシを移動させます。この時チューブの反対側を開放しておくと、タワシとともに汚れた水がどっと出てきます。
汚れがひどい時はもう一度行いましょう。
＜追記＞最近は潅水チューブの掃除用ブラシが市販されています。しくみはたぶん同じです。なおメーカーサイトに載っていなかったので下記のリンク先は通販の一例です。
＊参考「潅水・散水チューブの目詰まりが取れるブラシ」アイセン工業
なお余談ですが、片面散水式の穴はマルチ側に向けましょう。まれに「土に直接散布したいのだ」とうね側に向けている方がおられます。これをすると、出す時は良くても止めた時に陰圧で泥水を吸い込むのでやめましょう。
まとめ
昨年使用した「フィルター内蔵・片面散水式」潅水チューブは、内部フィルターにゴミが詰まっているので必ず掃除しましょう。掃除方法は、チューブ内部でタワシを移動させゴミをこそぎ取るように行います。
Have you cleaned the irrigation tubes? Once the mulch is in place, it’s too late. (Kamo eggplant 01)
The “filter-integrated, one-sided irrigation” tube used last year likely has debris clogged in its internal filter, so be sure to clean it.
To clean it, move a scrub brush inside the tube to scrape off the debris.
