万願寺とうがらし

もうけたいならV字整枝一択③潅水チューブへ変更・水圧低下に注意(万願寺とうがらし13)

 市場出荷をするなら「主枝3本V字整枝」が最適です。この記事では、活着後から行う「潅水」方法について説明します。

活着の前後で潅水方法を変える

 「万願寺とうがらし」が活着したら潅水方法を変更します。活着するまでは「根鉢外周に掘ったドーナツ溝へ手潅水」を行いますが、活着後は「うねの両端に設置した潅水チューブ」を稼働させます。

 活着したということは「ドーナツ溝まで根が伸びてきた」ことになります。この状態で「手潅水」を続けてしまうと根の伸びがストップしてしまいます。手潅水は終了してください。

 そこで行うのが「潅水チューブ」の稼働です。潅水チューブはうねの端に設置しているため、そこで潅水を始めると根がおびき寄せられ、根域が拡大していくわけです。

 さらに、潅水チューブから出た水はマルチに当ってうね表面に降りそそぎ、根の伸びを促進します。

水圧の勾配に注意

 潅水チューブの設置でよくある間違いを指摘します。それは「チューブのストッパーは禁止」です。この器具があるため、潅水チューブの後端は閉じるものだと思う方が多いようです。

 潅水チューブの先を止めてしまうと「手前と奥で水圧に勾配」ができてしまい、チューブの奥にいくほど水圧が低下します。
 この状態だと、ハウスの奥が水不足になったり、それを解消しようとして手前が水浸しになったりしてしまいます。
 この他にも、「ハウスの奥で青枯病が出た」は「水不足によるしおれ」だったり、「奥に植えた苗が悪く生育しない」は「追肥が溶けていないだけ」など騒ぎの原因にもなります。

 こんなことにならないよう、潅水チューブは「手前同様に奥も連結」してください。つまり潅水チューブをループ状態にするわけです。
 こうすると水圧の勾配は解消され、ハウス全体の潅水量が均一になり、生育のばらつきがおこりません。

活着の判断は「伸びと湿り」を観察

 ここで迷うのが「活着したかどうかの判断」でしょう。手でうねを掘ってみるのが確実ですが、それより簡単な目安が2種類あり併用して判断します。

(1)いちばんわかりやすいのが「主枝の伸び」を観察することです。
 活着するまでは育苗培土の肥料分で生育するため、主枝の伸びは緩慢です。しかし活着すれば根がうねに伸び、「手潅水」の湿りで溶けた基肥を吸収できるようになります。
 こうなれば株に養分がチャージされ、活着前とは比較にならない「主枝の伸び」を示すので判断の目安となります。

(2)もう一つは「株元の湿り具合」を観察することです。
 活着するまで根は根鉢の中だけにあります。そのため「手潅水」の湿りが株元に向かうと、せっせと吸水するため「株元は乾いた状態」になります。しかし活着後は根鉢から根が外に伸びていくため、株元での吸水は減少します。
 こうなれば「株元は湿ったままの状態」になるので判断の目安となります。

まとめ

 株が活着したら潅水方法を「手潅水」から「潅水チューブ」に変更します。潅水チューブの先は止めず、手前同様につなぎ、ループ状にしてください。活着の判断は「主枝の伸び」や「株元の湿り」を見て判断します。

If you want to maximize profits, V-shaped pruning is the only choice. ③ Switch to irrigation tubes and be mindful of water pressure reduction. (Manganji peppers 13)

Once the plant has established itself, switch the irrigation method from manual watering to irrigation tubes. Do not seal the end of the irrigation tube; instead, connect it as you did at the starting point to form a loop. Determine establishment by observing the growth of the main stem and the moisture level around the base of the plant.