万願寺とうがらし

もうけたいならV字整枝一択④着果を見て追肥開始・固形肥料はダメ(万願寺とうがらし14)

市場出荷をするなら「主枝3本V字整枝」が最適です。この記事では、潅水チューブを利用して行う「追肥」について説明します。

開始の合図は2番果の肥大

 潅水チューブによる潅水を開始すると、株の生育が旺盛になり着果量も増加していきますが、うね内の基肥の肥効が減少するため、これを補う必要が出てきます。追肥の出番というわけです。

 では追肥はいつから始めればよいのでしょうか。それは果実の観察で判断します。しかし注目するのは1番果ではなく2番果です。
 「2番果の肥大が始まった時」が追肥開始の合図となります。

追肥方法は「液肥混入器+潅水チューブ」

 追肥の方法は色々ありますが、「穴肥え」や「マルチをめくって散布」はどちらも固形肥料なのでお勧めしません。

 理由は簡単、施用しただけでは効かないので潅水して溶かす必要があるからです。真夏ならいいですが、特に梅雨は最悪です。
 せっかく排水や換気に気を使っているのに、たっぷり水をまいてしまっては台無しで病害激発です。

 では最適な追肥方法はというと「潅水チューブに液肥を流す」になります。
 どうやって流すかというと、ハウス内の配管に「液肥混入器」を設置すれば、適正な肥料濃度の水が潅水チューブに送られます。

 「液肥混入器」は色々な商品が販売されており、自分の栽培状況に合わせたものを選んでください。
 なお伝統野菜で実績がある商品は「配管の途中に一升瓶を取り付けるタイプFPS-4型(サンノー製)」ですが現在は入手困難のようですが、現在は他社からも発売されているようです。(下記のリンクはその一例です)

*参考「万願寺トウガラシの秀品増収・ピーク分散技術が確立」京都府農林センター
*参考「FPS液肥混入器 エフピーエ プラス ワンタッチ金具セット」サンフレックスAQUA

 この方法にはもう一つ大きな利点があり、梅雨の湿害対策にもなることです。
 固形肥料+たっぷり潅水とは違い、最小の潅水量で肥効が確実な追肥ができるからです。

 なお、ハウスの外に大きなタンクを設置し、そこで液肥を作って流す方法もありますが、藻がわきやすく潅水チューブがつまる原因となるのでお勧めしません。

追肥の間隔は週一

 そして追肥は1回だけでは終わりません。樹勢を維持するためには「追肥を定期的に行う」必要があるからです。

 追肥の間隔は「1週間」が基準となります。これ以上間隔を開けてしまうと肥効切れのリスクが高まってしまいます。
 これを「頻繁だなあ」と感じる方がいると思いますが、大丈夫です。濃度を薄くすれば「当たらなければどうということはない」からです。

 液肥濃度は薄目に設定し、生育が順調ならむやみに変更しないようにしましょう。潅水量は潅水開始時に湿り具合を観察し1回分の量を決め、これもむやみに変更しないでください。

 しかし高温期になると1回の潅水量を増やしたくなります。この時は「追肥が終わった後に、水だけを追加で潅水」し、施肥量が毎回一定となるようにしてください。
 特に京都府のブランド農家の方は「京都こだわり農法」で施肥量の上限が決まっていますから注意が必用です。

まとめ

 2番果の肥大が始まったら追肥開始のサインです。追肥は液肥とし、潅水チューブで潅水時に施用してください。追肥の間隔は1週間に1度が基本です。

If you want to maximize profits, V-shaped pruning is the only choice. ④ Start additional fertilization after confirming fruit set. Solid fertilizers are not recommended. (Manganji peppers 14)

When the second fruit begins to enlarge, it is a sign to start additional fertilization. Use liquid fertilizer and apply it through the irrigation tube during watering. The basic frequency for additional fertilization is once a week.