海の京都

【海の京都】丹後フルーツ④梨

 この記事では、丹後地域の重要コンテンツのひとつ「丹後フルーツ」について紹介します。第4回は「梨」についてです。(海の京都06)

丹後の梨

 丹後の梨栽培は1906年(明治39年)に旧網野町の浅茂川(あさもがわ)で始まり、3年後に旧久美浜町の平田でも栽培されるようになったと言われています。
 そのため、現在でも京丹後市の久美浜と網野が産地の中心となっています。

 初めて作られた品種は「長十郎(ちょうじゅうろう)」でしたが、今ではたくさんの品種が栽培され夏から秋まで収穫出来るようになりました。

 現在は、山地を開いた開発農地でも栽培されており、面積は77ヘクタールにまで増えました。大きな木だと1本の木に1000個の梨がなるので、京都や大阪へも出荷され高級果物として扱われています。
 中でも、品質特に糖度が優れるものは「京たんご梨」として「京のブランド産品」に認証されています。

*参考:京たんご梨(京丹後市観光公社)

*ポイント*
・京丹後市の網野町と久美浜町で栽培が盛ん
・丹後を代表するフルーツ
・「京たんご梨」は「京のブランド産品」

丹後産梨が美味しいワケ

 丹後の梨は日当たりの良い場所を選んで作られるので、糖分を蓄える働きが旺盛となり甘みたっぷりに育っていきます。
 ただし全ての実を育てるのではなく、とても良い実だけを残し五分の一くらいに間引くので、養分が潤沢に実に行き届きます。

 そして、実が小さい内に袋を被せ大切に保護しますが、大きくなるのに合わせもう一度被せることもあります。

 丹後の熟練農家は梨の食べ頃を見るだけで判断できるので、安心して買えるだけでなく、梨狩りの時にも美味しい梨を教えてくれるので安心です。

*ポイント*
・日当たり良好な園で育つので甘い
・適正な数をならすので美味しい
・農家は見ただけで食べ頃がわかる

丹後産梨の買い方

 丹後の梨はたくさんの品種が作られているので、8月から年を越して2月くらいまで、見た目も味も特徴的な色々な梨が食べられます。

 道の駅やお土産店にもたくさん並びますが、農家の直売所では「もぎたて」を買うことができます。
 特に京丹後市の網野町木津(きつ)から久美浜町浦明(うらけ)にかけての国道178号線沿いや、久美浜町の佐濃谷川(さのたにがわ)沿いにはたくさんの直売所があります。
 また、9月から10月には、多くの果樹園で梨狩りも楽しめます。

*ポイント*
・8月から2月まで買える
・直売所では「もぎたて」が買える
・9月から10月は梨狩りも盛ん

梨はデリケート

 梨は硬い果実のイメージがありなので、ブドウや桃に比べて乱暴に扱っていませんか。特に赤梨なんかだと、とても丈夫そうに見えますが、実は皮が柔らかくてとても傷つきやすいのです。

 なので、指で押さえるなんてのはもってのほかです。
 店頭で見る梨が、発泡スチロールのネット等で保護されているのは、ちゃんとした理由があるからです。

丹後産梨の品種紹介

●「二十世紀(にじっせいき)」
 丹後を代表する品種で、甘みと酸味の調和したさわやかな味が特徴です。収穫期は、9月上旬から9月下旬です。
 大正の頃から栽培され、久美浜町箱石の家城農園では当時の木が現役で植わっています。また、同じ仲間で病気に強い「ゴールド二十世紀」も栽培されています。

●「新興(しんこう)」
 丹後を代表するもう一つの品種で、果汁が多く、甘みと酸味のある濃厚な味が特徴です。収穫期は「二十世紀」より遅く、10月中旬から下旬です。
 貯蔵性が良いので、収穫後も12月下旬まで販売されています。なお「新高」という品種もありますが、そちらは「にいたか」と読みます。

●「幸水(こうすい)」
 丹後ではそれほど多くありませんが、日本中で多く栽培されている品種で、みずみずしい甘さが特徴です。
 収穫期は梨の中では早く、8月中旬から下旬です。

●「あきづき」
 丹後で最近栽培が始まった、美味しさが評判の品種です。収穫期は、9月中旬から10月上旬です。
 なお品種名はひらがなが正しく、秋月とは書きません。

●「王秋(おうしゅう)」
 今、丹後の果樹園で栽培が増えている美味しい品種で、卵形の変わった形をしています。収穫期は長くなく、10月下旬です。貯蔵性が良いので、年を越して2月まで販売されています。
 この品種を目当てに丹後を訪れる方が増えています。

●「愛宕(あたご)」
 重さが2キロにもなる日本最大級の品種で、贈答用としても喜ばれています。
 収穫期は11月ですが、貯蔵性が良いので、年を越して2月まで販売されています。お正月の話題づくりにどうぞ。

●青梨と赤梨の違い
 梨は見た目の色の違いから、表面が緑色の「青梨」と茶色の「赤梨」に分けることがあります。丹後では、青梨の代表が「二十世紀」、赤梨の代表が「幸水」です。
 ただし違いは表面の皮の色だけで、味は品種により千差万別ですので「青梨だからこうだ」と決めつけるわけにはいきません。
 また、どちらともとれそうな色の品種もありますから、梨を選ぶ時は品種を重視してください。

京たんご梨

 丹後で最も栽培されている「二十世紀」は、「京たんご梨」という名前で、果樹園産で唯一「京のブランド産品」に認証されています。
 なお、丹後フルーツとしては「京たんごメロン」もブランド認定されています。

 道の駅「くみはま SANKAIKAN」に併設された選果場で、糖度センサーにより糖度11.5度という「超高糖度」で選別されたものが「京たんご梨」として出荷されます。

*ポイント*
・丹後産「二十世紀」がブランドとして認証されたもの
・果樹園産で唯一の「京のブランド産品」
・糖度11.5度という「超高糖度」で選別

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