この記事では、丹後地域の重要コンテンツのひとつ「丹後フルーツ」について紹介します。第6回は「桃」についてです。(海の京都08)
丹後の桃
 丹後の桃は明治時代に栽培が始まり、気候風土が適していたことから大正時代には京丹後市の網野町や久美浜町に広まりました。
 現在は、農家だけでなく樹の高齢化により減少しつつありますが、品質の良さを求めて丹後を訪れる人は少なくありません。
 丹後では様々な品種が植えられているため、7月中旬の梅雨開け頃から8月中旬のお盆の頃まで食べ頃が続きます。
 品種は大きく2つに分けられます。7月中旬から8月初旬まで旬なのが「白鳳(はくほう)系」で、酸味は少なく果汁が多い濃いピンク色の桃です。
 8月に入るとお盆の頃まで旬なのが「白桃(はくとう)系」で、甘みが強く果肉がとても柔らかい桃です。
*ポイント*
・7月中旬から8月中旬が旬
・「白鳳系」は濃いピンク色で果汁が多い
・「白桃系」は甘み強く果肉がとても柔らかい
丹後産桃が美味しいワケ
 丹後の農家は、なるべく桃栽培に適した場所に園を作ろうとがんばりました。そのため、山すその傾斜地や砂丘など水はけのよい場所で栽培が行われており、健康に育った樹から美味しい桃が穫れるのです。
 また、樹にたっぷり日が当たるように、樹と樹の間隔に余裕を持たせて植えられており、のびのびと育てていることも大きな理由です。
*ポイント*
・水はけが良い場所で栽培しているから美味しい
・樹と樹の間隔を広く取っているから美味しい
桃の美味しい食べ方
 果実がふっくらと丸みをおび、果実全体に産毛がついており、香りの強いものを選びましょう。
 桃は冷やしすぎると甘味を感じにくくなるので、食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れましょう。
 桃が硬い場合は、新聞紙などにくるんで常温で保存すると、果肉が柔らかくなります。熟すと傷みやすくなるので、早めに食べましょう。
丹後産桃の品種紹介
「日川白鳳(ひかわはくほう)」
 7月上から中旬に収穫できる、丹後のモモのトップバッターです。早生品種の中では糖度の高い品種です。
「白鳳(はくほう)」
 7月下旬に収穫される、丹後の桃の代表品種です。果汁が多く、柔らかな果肉で甘みがあります。
「あかつき」
 7月の終わりの頃に収穫されます。「白鳳(はくほう)」と「白桃(はくとう)」を掛け合わせてできた品種です。
 「白鳳」より果肉がやや硬めですが、甘味の強いのが特徴です。
「嶺鳳(れいほう)」
 8月初旬に収穫されます。甘味が強いですが、他の品種と異なり、果肉に弾力があり硬い桃です。
「清水白桃(しみずはくとう)」
 8月上旬から収穫される、白い桃の代表格です。果肉はすじっぽさがなくて軟らかく、多汁で甘みの強い品種です。
「川中島白桃(かわなかじまはくとう)」
 8月中旬に収穫される大きな桃です。果肉はやや硬めですが、甘みの強い品種です。
桃園の楽しみ
「桃園でお花見」
 桃園に行く楽しみは、夏の桃狩りだけではありません。春もオススメなのです。
 4月の桃園では、桃が淡いピンクの花を咲かせ、満開になるとまさに桃源郷です。地元の人々には、とっておきの花見スポットとして愛されています。
「夜に光る桃園」
 桃園を夜に訪れてみましょう。何やら怪しげな黄色い光が、あたりを照らしていることがあります。よく見ると、背の高い柱の先でビーチボール大の丸い電灯が黄色の光を放っています。
 この黄色い電燈は防蛾灯(ぼうがとう)と言い、果実が熟す頃になると汁を吸いにやってくる蛾から、大切な桃を守るために点けられているのです。
 黄色い光を浴びた蛾は活動が抑えられてしまうので、農薬を使わずに被害を防ぐことができます。
Tango Peach – The Coastal Sweetness of Kyoto by the Sea
This article introduces one of the key features of the Tango region: “Tango Fruits.” In this 6th installment, we focus on peach.
 
  
  
  
  
