この記事では、丹後地域の重要コンテンツのひとつ「丹後フルーツ」について紹介します。第8回は「メロン」についてです。(海の京都10)

丹後のメロン
 丹後でのメロン栽培は昭和30年代後半から始まり、メロンの表面に網目が現れて高級感がある「ネットメロン」が多く栽培されています。
 最初は露地(ろじ)栽培が中心で、1株から4個収穫する方法が中心でした。しかし昭和の終わり頃からハウス栽培が増え、より甘さを求めるようになりました。
 また、1株から1個しか収穫しない品質重視の栽培方法が主流になり、ブランドメロンが登場するきっかけにもなりました。
*ポイント*
・編目のある「ネットメロン」を多く栽培
・1株から1個しか収穫しない品質重視の栽培
・甘くするためハウス栽培が多い
丹後産メロンの品種
丹後の主流は「ネットメロン」です。その「ネットメロン」の品種は、「アールス系」と「アールス系以外のメロン」に大きく分けられますが、どちらも甘くてメロンらしい香りがします。 「アールス系」の良い点は、とてもきれいに仕上がるため、贈答用に最適なことです。
「アールス系」
 イギリス生まれのメロンから改良された品種たちで、甘みが強く栽培しやすいことから、現在でも大変人気があります。
 丹後産の品種は、ほとんど「アールスセイヌ」です。「マスクメロン」と呼ぶこともあります。
「アールス系以外」
 丹後では「ハピネス」「パンナTF」「市場小路」といった品種が作られていますが、どれも美味しい品種のため優劣はありません。
丹後メロン三大ブランド
 丹後には特に高品質を目指して栽培されている3つのブランドメロンがあります。
「琴引(ことひき)メロン」と「京たんごメロン」
 京丹後市網野町の砂丘や開発農地で栽培されています。
 アールス系メロンの品種「アールスセイヌ」を使用し、1株に1個ならせ、糖度15度以上で出荷しています。
 JAの集荷場には直売所が併設されており、出荷が始まると観光客だけでなく地元の人も贈答用に買いに来ます。
 さらに平成28年には、「琴引メロン」の中でも「絹」と「琴」クラスのものが「京のブランド産品・京たんごメロン」に認定されました。
*参考:京たんごメロン/琴引メロン(京丹後市観光公社・京丹後ナビ)
*参考:京のブランド産品 京たんごメロン 琴引メロン 3Lサイズ 1玉(2026年6月下旬~発送)(京丹後市ふるさと納税特設サイト)
「砂姫(すなひめ)メロン」
 京丹後市久美浜町の砂丘で栽培されています。品種はアールス系ではない「ハピネス」と「パンナTF」を使用し、1株に1個ならせ、糖度15度以上で出荷しています。
 ただし「砂姫メロン」と呼ぶのは最上級の規格「特秀」のみで、それ以外の規格のものは「砂丘メロン」と言う名前で売られています。直売所で売られているのは、たいてい「砂丘メロン」の方です。
*参考:砂姫メロン1玉!大玉2L以上!女性に人気!(2026年6月下旬~発送)(京丹後市ふるさと納税特設サイト)
*参考:京丹後産 砂丘メロン 大玉2L以上 1玉(2026年7月下旬~発送)(京丹後市ふるさと納税特設サイト)
「夕陽ヶ浦(ゆうひがうら)メロン」
 京丹後市網野町の砂丘で栽培されています。
 品種はアールス系ではない「市場小路」と「ハピネス」を使用し、砂地を活かした露地栽培です。
 メロン狩りにも対応するため、1株に4個ならせて収穫個数を増やし、糖度14度以上で出荷しています。
*参考:夕日ヶ浦メロン1玉(2026年7月中旬~発送)(京丹後市ふるさと納税特設サイト)
幻のメロン「新芳露(しんほうろ)」
 「新芳露」は島根県で育成された古い品種で、香りがとても強く、独特の深い甘さを持つメロンです。「メロンは新芳露が一番」と言い切る根強いファンが多いことでも知られています。
 すぐに熟し過ぎてしまうため、市場へ出荷できないという欠点を持つことから、「幻のメロン」と呼ばれています。
 さらに、熟し方が猛烈なため過熟になるとガスが発生し爆発するので、買ったらすぐに食べましょう。某ジェラート屋さんがミキサーにかけて袋に入れていたら暴発し部屋中がとんでもないことになったらしいです。
 現在、生産している農家は数戸と減っており、直売所でしか買うことが出来ません。
*参考:谷芳農園ショップページ(谷芳農園)
*ポイント*
・香りがとても強く、独特の深い甘さ
・すぐに過熟になり日持ちしない、爆発注意
・直売所でしか買えない
Tango Melon – The Coastal Sweetness of Kyoto by the Sea
This article introduces one of the key features of the Tango region: “Tango Fruits.” In this 8th installment, we focus on Melon.
 
  
  
  
  
