この記事では、海老芋と混同されやすい「京芋」について説明します。

色々な里芋品種
今回は里芋のいろいろな品種についてです。なかでも「京芋」は「大きく細長い」ことから、よく「海老芋」と間違えられることがあるので混同しないようにしましょう。
里芋の品種は食べる部分によって4つの種類に分けられます。「子芋」を食べるもの、「親芋と子芋」両方を食べるもの、「親芋」を食べるもの、茎の部分の「ズイキ」だけを食べるものの4つです。
子芋を食べる品種
一番有名な品種は「石川早生」でしょう。しかし、この名前で売られることはあまりなく、単に「里芋」としてお店に並ぶことの方が多いようです。
この他には「土垂」という品種もあり、最近はホームセンターなどで種芋が売られているのをよく見かけます。
京の伝統野菜「海老芋」は品種名ではなく、京都の伝統的な栽培方法で作られた里芋を指し、使用するのは「唐の芋」というホクホク感の強い品種です。
海老芋は「子芋を食べる品種」ですが、じつは親芋も美味しく食べることができます。京都市内では「頭芋」という呼び名で正月に縁起物として食されたりします。また大手料理学校と実験したところアイスクリームにも使用でき、トルコアイス的な食感になりました。
親芋と子芋を食べる品種
代表的な品種には「セレベス」や「八頭」があります。
「セレベス」は芽が赤いことから「赤芽」とも呼ばれます。「石川早生」は粘り気が特徴ですが、「セレベス」は「海老芋」に近いホクホク感があります。作りにくく収量が低いことから、市場へ出荷されスーパーなどに並ぶというより、直売所や通信販売で見かけることが多い里芋です。
「八頭」も流通している量が少なくあまり見かけることがない品種ですが、末広がりの「八」と人の「頭」になる、を掛け合わせた縁起物としておせち料理に使われます。しかし、最近では食用というより観賞用の鉢植えとして需要が高まってきています。種芋から細い茎がたくさん発生し、水鉢で栽培できるので、涼感をさそう夏の鉢物として人気が出ています。
親芋を食べる品種
いちばん目にするのは「筍芋」でしょう。
縦に長く大きく太った芋が筍をイメージさせることから、こう呼ばれるようになったと言われています。またこの品種は「京芋」と呼ばれることもあり海老芋と混同されがちですが、京都や海老芋とは関係ありません。
と言いたいところですが、じつは少しだけ関係があったりします。
この品種は明治時代に宮崎県で作られ始めた南方系の里芋が先祖とされ、その頃は「筍芋」と呼ばれていました。
このイモが「京芋」と呼ばれるようになったのは、宮崎県の農協などが関西に売り込もうと京都にやってきた時、京都で食べた「海老芋」料理がとてもおいしく、このおいしさにあやかりたいとの思いで名付けたのが始まりと言われています。
*参考「宮崎県小林市(さといも〔京いも〕)~豊かな自然と大地が育む~」こばやし農業協同組合
ズイキだけを食べる品種
里芋を栽培している途中で「茎を切り取って食べる」のが「ズイキ」ですが、この「ズイキ」を収穫するためだけに生まれた品種もあります。このズイキ専用品種は「ハスイモ」が一番知られており、四国でよく作られています。
「ハスイモ」はズイキだけを収穫する品種なので、芋の部分は小さく固く、まずいので食用になりません。
まとめ
このように里芋と言っても色々な特徴を持つ品種があり、ホームセンターや通販で手に入りやすくなっています。海老芋もいいですが、ちょっと変わった品種を作ってみてはどうでしようか。
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