この記事では、万願寺とうがらしの長期栽培を支える「うねの大きさ」について説明します。

小さいうねでは夏を越せない
うねの大きさが昔に比べ小さくなっています。具体的には、うね幅でいうと1.8m以上だったものが1.5m以下があたりまえのようです。
こんなに狭いと生育への悪影響が出やすくなります。特に真夏には「落花」や「尻腐れ症」などの問題多発で出荷量が激減し、連続出荷がとぎれ「長期取り」とはいえなくなってしまいます。
まあたいていの場合は「猛暑のせい」にしてそうですが、しかしそんな方の圃場は「うねが小さい」ことが多いです。
根量の多さで吸水量が決まる
そこで「うねの大きさが大切」というはなしです。
万願寺とうがらしの根は「浅根性」ですから、根はうねの表面を広がっていきます。そのため潅水はうねの表面をしっかり濡らす必要があるわけです。
ではたっぷりうねを濡らせば安心かというと、はなしはそう簡単ではありません。水を欲しがっている地上部にいきわたることが大切ですから。
万願寺とうがらしの吸水能力が特別優れているわけではなく、地上部の蒸散に引っ張られて根から水が入っていく仕組みは他の野菜とかわりません。いくら根の周りが湿っていても「根量が少なければ吸水量も少なくなる」のです。
地上と地下のバランスが大事
梅雨の期間は高温多湿ですから、地上部がどんどん大きくなり繁茂していきます。これと同時に根域も広がっていきます。
そして万願寺とうがらしは「浅根性」なので、広がっていくのは主にうねの表面です。うねの下にはもぐっていきません。しかも通路は人通りが激しいので断根しやすいため、うねの端まで行ったら終了となります。
つまり「根量の多さはうね表面積の広さ」にかかってきます。そして表面積を高めるには「うねを大きくする」しかありません。
では前に戻って、梅雨明けの繁茂状態に対し、うねが小さいとどうなるでしょう。地上部の大きさに比べ根量が少なくバランスが取れていません。
梅雨の間ならこの比率でしのげたとしても、真夏が始ったら大変なことになるでしょう。高温対策をいろいろ講じても「体内に水が少ない」状態では効果が激減します。
そのため、真夏の高温対策を効果的に行うには「大きなうねで栽培する」ことが前提条件となります。
まとめ
地上部と根量のバランスの良さが真夏対策の前提条件です。長期取りでもうけるには、まず「うねを大きく」しましょう。
Large ridges support long-term harvesting—small ridges won’t survive the summer. (Manganji tōgarashi 03)
A well-balanced ratio between the above-ground portion and root mass is a prerequisite for summer resilience. To ensure profitability in long-term harvesting, first, “increase the ridge size.”
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