市場出荷をするなら「主枝3本V字整枝」が最適です。この記事では、整枝の出発点であり最重要作業でもある「誘引」について説明します。

V字整枝は2つのゾーン作り
①~⑤の作業を行えば初期生育は順調のはずなので、さて本番の「主枝3本V字整枝」を始めましょう。
意外かもしれませんが大事な作業は「主枝の誘引だけ」です。「整枝」というと「剪定」を思いうかべる方が多くと思いますが、この整枝法では「8月まで剪定不要」となります。
この整枝法は、一般的なV字整枝の「主枝をV字に誘引し、剪定で樹勢をコントロールする」ではなく、「V字に茂らせ、放任で樹勢をコントロールする」のが特徴です。
「V字の茂り」というのは、主枝をV字に誘引するだけでなく「V字の谷間に空間を作る」ことです。この空間を「開花ゾーン」と呼び、この場所でどんどん花を咲かせ着果させます。
そのため「剪定」はV字の谷間(開花ゾーン)が繁茂し過ぎた時に行えばよいので、通常は8月以降からでかまいません。
一方V字の外側は「収穫ゾーン」と呼び、この場所では栽培期間中にどんどん果実を太らせ収穫し続けます。
「主枝3本V字整枝」とはこの「主枝をV字に誘引し2つのゾーンを作る」栽培技術です。
まず3本のヒモを張る
主枝を誘引するためには、まず「誘引ヒモ」を張ります。このヒモは主枝の「分枝部から3本」張っていきます。
まずヒモを分枝部に結びますが、主枝が太ることを想定しゆるくしばります。そして斜め上方へ引っ張ります。(支柱の立て方などは省略します)
引っ張る角度は45度~60度くらいとし、できれば45度がおすすめです。この時、角度が重要な意味を持っています。
60度より急角度にすると激しく徒長してしまい、主枝の節数が減るので減収します。これはけっこうやっている方が多い角度だと思います。
45度より低いと主枝が伸びにくくなり、この場合も主枝の節数が減るので減収します。
最悪なのが0度(真横)で、こんなことをすると主枝の伸びが停止してしまいます。(U字整枝をすすめない理由です)
なお、ハウスの棟数が多く手をかけられない方にお勧めなのは「主枝1本整枝」です。2割程度減収しますが「省力効果はピカ一」です。(この整枝法については伏見とうがらしの記事で予定しています)
主枝の誘引は下向き厳禁
誘引ヒモが張れたら、ヒモに主枝をクルクルとからめていきましょう。この作業は、時々ハウスを見回り、主枝が絡められそうなくらい伸びていたらすぐに行ってください。大切なポイントです。
これは、主枝の先端が下を向くと伸びにくくなる性質を持っているからです。一度止まると、再度伸び始めるには時間がかかります。
ですから、からめる作業はマメにおこない、常に主枝の先が斜め上を向いているようにしましょう。
この誘引作業が順調に行けば、整枝は成功したも同然です。後は「摘果」と「収穫」をがんばるだけです。
「万願寺とうがらしは高く売れるけど管理作業がしんどい」という方が多くいますが、この舞鶴伝統の整枝法なら「楽してもうける」ことができますよ。
まとめ
まず誘引ヒモを斜めに張ります。次に、主枝をこのヒモにからめるようにして誘引していきます。この整枝法はこれだけで樹形が整うので、楽してもうける栽培技術です。
If you want to maximize profits, V-shaped pruning is the only choice. ⑥ The most crucial task is “training”—pruning is not performed. (Manganji peppers 16)
First, stretch the training string diagonally. Then, guide the main stem by intertwining it with the string. This pruning method naturally shapes the plant, making it an efficient cultivation technique for easy profit.