海老芋

京野菜【海老芋】プロ農家が教える栽培のポイント(7月③病害虫防除)

 プロ農家が実践している時期ごとの栽培管理について紹介します。今回は、7月に行っている作業の第3回で、対策を怠ると厄介な病害虫についてです。(海老芋51)

病害虫防除

●ハスモンヨトウ
 ・梅雨が短く発生がなくても、猛暑で発生が助長されるので注意。
 ・夜蛾なので、成虫の防除は不可能。
  ⇒卵を産み付けられても、いちいち葉をめくって探すのは作業的に困難。
 ・ふ化した後の若齢幼虫は、1枚の葉にかたまって食害するので、発見しやすい。
  (ハウス栽培ではないので、資材に産卵されることがなく、いきなり分散して出現はしない)
  ⇒この段階なら、薬剤防除ではなく、葉を切除し廃棄するだけでよい。
   数日おきに、うね間を歩いて観察することが大事。経費削減にもなる。
   ⇒穴あき葉に幼虫がいない時は分散済みなので、緊急防除を行う。
    ⇒防除後に新しい食害が見られたら、そこにいるので、捕殺する。

●ハダニ
 ・発生は梅雨頃だが、梅雨明けの高温乾燥で拡大するので、7月下旬の予防防除が効果的。
 ・卵から成虫までのステージが混在すると想定した防除が必要。
  ⇒ダニ剤には、卵に効かないものもあるので、選定に注意する。
   一度では抑えきれない時期なので、ローテーション防除は必須となる。
   物理的に殺ダニする農薬もあるので、導入を検討する。

*参考:サフオイル乳剤(OATアグリオ株式会社)

アブラムシ
 ・ウイルス病を感染させるかもしれないが、栽培後半は草姿が大きいので無視する。
 ・採種圃では、発生状況により農薬散布も検討する。
  ⇒アブラムシが吸汁したら感染済みなので、圃場内への拡大を防ぐため行う。

汚斑病
 ・石川早生と違い海老芋は晩生なので、9月に葉が痛むと肥大不足を招く。
 ・発生原因は「肥切れ」。肥効が途切れず続いていれば発生しない。
  肥切れの原因は次の3つ。
  ・肥料不足
   ⇒8月以降に土寄せを予定すると、その時の追肥分が足りなくなる。
   ⇒7月に土寄せを終了しても、圃場条件等で切れることもあるので、8月の臨時追肥が必用。
   ⇒追肥をうねの上や株元に施用すると、余程の降雨が無いと肥効が出ない。
  ・根痛み
   ⇒トラクターなどで断根すると、吸肥量が激減する。
   ⇒地表面近くに根が伸びるので、うねの上を無造作に歩くと根が傷つき、吸肥量が減少する。
  ・乾燥
   ⇒うね間潅水の間隔が空きすぎると、根が肥料を吸う機会も少なくなる。
   ⇒葉に乾燥害が出るようだと、肥効以前のはなし。
 ・農薬防除は見当違いなので行わない。

●芽つぶれ症
 ・8月から9月に圃場が過乾燥になると、カルシウム欠乏により発生リスクが高まる。
  ⇒猛暑が続くなら、毎日うね間潅水すると良い。ていうか、しなさい。
   海老芋にとって、水さえあれば猛暑は友達。豊作への天の恵み。
   (摘葉が未普及の時代には草丈が2mになった)
 ・「セルカ」等の有機石灰は、根が近くにないと吸収されない。
  ⇒石灰を全層施肥して量は満たしているので、うね全体に根域が広がっていることが大切。

Kyoto Vegetables – Ebi‑imo (Taro): Key Cultivation Tips from Professional Farmers (July, Part 3: Disease and Pest Control)

Here, we introduce the seasonal cultivation management practices used by professional farmers. This is the third installment on tasks for July, focusing on pests and diseases that can become a real headache if countermeasures are neglected.