万願寺とうがらし

京野菜【万願寺とうがらし】晩秋の珍味は農薬に気をつけて

 今回は、栽培末期に直売所などに出回り始める「柔らかい茎葉」や「出荷できない実」の注意点についてです。(万願寺とうがらし28)

出荷しないものも美味しい

 今年の栽培も終わりに近づいています。出荷できる良い実が残り少なく、それを出してしまったら後は大きくなりそうもない小さな実だけとなってしまいます。

 そんな栽培末期のお楽しみと言えば、今後いくら待っても出荷規格まで大きくならない「小さな実」や栽培後には抜いてしまうしかない株の「柔らかい茎葉(葉とうがらし)」、値が低すぎるため出荷しない大きいけれど「形の悪い実」を食材として使った料理です。

 こういったものは出荷されませんが、京都府中丹地域にあるJAにのくにの直売所「彩菜館」や産地の地元スーパーなどで買うことができます。

 なお、ブランド出荷農家が出してくる「赤い実」は約束違反なので、京都ブランドを応援したい方は手を出さないとありがたいです。ブランドに使用する「京都万願寺2号」は、開発者が「命」を懸けて育成したものですから、採種できる赤い状態での販売はしないことになっているからです。 この出荷外品は、京都府中丹地域にあるJAにのくにの直売所「彩菜館」やスーパーの地元コーナーなどで買うことができます。

 「小さな実」「柔らかい茎葉」「形の悪い実」は「つくだ煮」や「炊いたん」などになります。このような料理は、お土産として加工品に利用されています。

*参考:京都・舞鶴産 万願寺甘とう煮(海の京都市場)

 作り方はネット情報などを参考にすれば簡単です。なお、cookpadに載っている京野菜レシピの多くは、京都府が呼びかけて投稿してもらったものが多いので地元感があります。

*参考:@kyotopref(京都府・公的機関)

 「形の悪い実」にまつわる、少し面白い料理というか保存食を紹介します。それは「万願寺甘とうの醤油漬け」です。
 作り方はとても簡単です。種を抜いた実を薄く輪切りにし、乾燥させれば準備完了。あとは、これを漬け込む「醤油的な液」を作り、ビンの中で合わせて適当な時間置いておくだけです。

 頭を使うのは、乾燥輪切り万願寺甘とうを付ける液の味付けだけです。昔は「好みの醤油」でしたが、今は色々な調味漬け液も売っていますから、自分の好みに合うものを試してみても良いでしょう。漬ける液は濃い目がお勧めで、漬ける時間で浸み込み具合を調節します。

 この料理は、万願寺甘とうが地元舞鶴でも知られていなかった頃は「ピーマンの醤油漬け」というものでした。
 ところが、万願寺甘とうがブランド産地化され知られてくると、従来のピーマンを用いるより美味しいため名称が変わったのです。
 どこがピーマンより優れていたのかというと、味というより「肉の厚さ」でした。ピーマンは肉薄のため乾燥させるとヒラヒラになってしまい、醤油に付けて戻してもペラペラだったのですが、万願寺甘とうなら戻した時にしっかりした食感が得られたからです。

農薬履歴に気をつけて

 しかし、これらの内「茎葉(葉とうがらし)」を買う時には気をつけてください。「茎葉」には「農薬が適正に使用されていない」リスクがあるからです。

 不特定多数の人に売る場合は、当然「農薬の登録内容」を守っていなければいけませんが、「葉とうがらし」に登録のある農薬は、万願寺とうがらし出荷用の登録内容ではありません。「葉とうがらし」では、「とうがらし(葉)」または「野菜類」の登録が必用だからです。
 正しく管理していると思いますが、農薬の使用履歴をしっかり確認してから購入してください。

*参考:農薬登録情報提供システム(農林水産省)

 なお、嫌な言い方になりますが、「個人の意見の無農薬」にはさらに注意が必要です。注意するところは、「種子消毒の有無」と「育苗中の履歴」です。

 普通の種を使っていたら、種袋に「この種子は農薬処理をしています ○○種子紛衣」などと書いてあることがあり、この場合はアウトです。

 また、無農薬をうたっていながら「市販の苗」を植えていたりすることもあり、その苗が育苗中に農薬を使用されていたらアウトとなります。

Kyoto heirloom vegetable ‘Manganji sweet pepper’ — pay attention to pesticide use for this late-autumn delicacy

This time, we will cover points to keep in mind regarding soft stems and leaves, as well as non-standard produce that start appearing at local farm stands toward the end of the growing season.