京の伝統野菜

京野菜【京の伝統野菜】入手可能な種子を紹介します

 昔は伝統野菜の種子は入手しにくかったのですが、最近は通販で入手可能となってきています。今回は、わりと簡単に買える通販サイトを紹介します。(京の伝統野菜02)

 伝統野菜の種子を入手しようとすると、なかなか難しいものですね。しかし、これは一番乗りの役得なのですが、京野菜に関わっていると、向こうから視察に来られた時に「京都だけぢゃない、うちにもあるのだ」的なお土産としていただくことが多かったです。

 ところが、最近は「伝統野菜」という単語が一般的に使われるようになったおかげで、大きな種苗会社の通販サイトでも購入が可能となっています。

 今回は、その中から「今日でもポチッと買える」ものを紹介します。なお、伝統野菜の種子ということなので、改良種ではなく昔ながらの形質を現していそうなものだけとなります。

タキイ種苗

 タキイ種苗は1835年・天保6年創業ですから、伝統野菜華やかなりし頃なので、良い遺伝資源をたくさんお持ちです。そして通販開始は1905年・明治38年で、今の「タキイネット通販」の始まりです。
 創業が1835年なので、西暦の一桁に5が付くと「創業○周年」を祝うイベントがありがちです。その一つ「創業180年」では、「京都ゆかりの厳選野菜」として京の伝統野菜の種子が、通販限定で販売されました。

*参考:京都ゆかりの厳選野菜(タキイネット通販)

 と、ここまで書いておいて申し訳ないのですが、期間限定なので今は売っていません。さらに、去年は「創業190周年」だったのですが、復刻販売はされませんでした。なので、入手しようとするなら「その時買った人が採種していればお友達になり譲ってもらう」ことしかできません。お騒がせしました。

 しかし、あきらめてはいけません。京のブランドとしても通用する品種がいくつかあるのです。そのわけは「農家が種子を持っていなかった」ので、種屋さんのものから「これは伝統野菜としてもいいんじゃないのか」という品種を選定・推奨した経過があるからです。(ええっなにそれ、と思われたとしたら、京の伝統野菜の理解不足です、それは他所の伝統野菜の定義ですから)

 とここまでは前振りで、このままでは項目を起こした意味がなくなります。なので、タキイ種苗が定番品種として売っている「京の伝統野菜」を紹介します。

 なぜなのかというと、「京の伝統野菜」に選定されている品目の中には「選定時点で農家が持っていなかったので市販品種を使っていた」品目があったからです。
 そんな大人の事情により「市販品種から伝統野菜に相応するものを選び産地づくりで推奨する」こととなりました。詳しく説明すると長くなるので、今回は飛ばして、いくつかを紹介するだけとします。

●聖護院だいこん
 「早太り聖護院」プロっぽく言うなら「うさぎ」
   ・形は「真ん丸」なのでカッコ良く見える。
   ・ウイルス病に弱いので、晩夏播きはネットトンネル被覆が必須。
   ・作り難いので、漬物屋さんとの契約などプロ栽培以外ではお勧めしない。
 「冬どり聖護院」プロっぽく言うなら「しし」
   ・一般的に販売されている京野菜はこの品種。
   ・形は「しもぶくれ」だが、こちらの方が本来の形質。

●聖護院かぶ
 「早生大蕪」
   ・京都の千枚漬けに使用されているのは、たいていこの品種。
   ・ウイルス病に弱いので、晩夏播きはネットトンネル被覆が必須。
   ・早生というものの9月後半播きは✕。この頃の播種1日遅れは収穫1週間遅れ。

●堀川ごぼう
 「純三年子 滝野川大長」
   ・苗から「堀川ごぼう」を作りたいならこの品種。ただし他の種苗会社のものも可。
   ・ただし秋から春までの栽培になるので、春に「葉柄付き」ゴボウを買った方が楽。

タカヤマシード

 京都市伏見区にある種・苗の卸屋さん「タカヤマシード」が、14品種の京の伝統野菜を扱っています。
 内訳は「丸だいこん」「すぐき菜」「茎だいこん」「青味だいこん」「薬味だいこん」「時無だいこん」「みずな」「みぶな」「九条ねぎ」「鹿ケ谷かぼちゃ」「桂うり」「万願寺とうがらし」「伏見とうがらし」「賀茂なす」です。

*参考:タカヤマシードのホームページ・品種一覧・京野菜(株式会社タカヤマシード)

 ところが、なんということでしょう、各品種の最後のところに「現在オンライン販売は行っておりません。ご購入の際はお近くの種苗店様へご連絡下さい」と書いてあります。
 しかし、まだ手はあります。本社はネット通販していないとのことですが、本社じゃなければしているわけですね。

 その一つ「合同会社ymmd-net」が運営する「楽天市場」の「種苗・園芸ショップ 種もり」が買いやすそうです。

*:楽天市場「種苗・園芸ショップ 種もり」・タカヤマシード(合同会社ymmd-net)

 というわけで、その中から「在来系統」に近いなと思われるものを紹介します。個人の感想ですが。

「すぐき菜」
  ・「すぐき漬け」を自分で作るのは困難ですが、茎葉も美味しいので「間引き菜」がお勧め。
  ・ちょっと硬めの蕪と思えば、「すぐき漬け」以外にも利用可。
  ・ただし、ゴツイ側根が2列生えているので、そこは思いっきりそぎ落とす。

「茎だいこん」
  ・ちょっと硬めで、どこを切っても同じ太さなので、おでんの具に良い。
  ・遅まきして年末に収穫したものは、椀に収まるので「雑煮大根」とも呼ばれる。
  ・年始に収穫すれば「春の七草」に良い。

「青味だいこん」
  ・なかなか売っていない品種なので、人に自慢できる。
  ・クネッと曲がるので栽培方法に注意。
  ・地上に飛び出た部分が緑色になるので、通はその部分を細工して緑色だけににして使う。

「薬味だいこん」
  ・形質は「辛味大根」に近いので、この名前は多分大人の事情かも。
  ・蕎麦の薬味のほか、焼き肉の薬味でも美味しい。

「鹿ケ谷かぼちゃ」
  ・なかなか売っていないし、変な形なので、飾っただけでも人に自慢できる。
  ・日本南瓜として普通に使えるのは下半分。
  ・味は淡泊なのでガッカリ?で、考えた売り文句は「料理人の味付けが活きる」。
  ・上半分はベシャッとしているので、油で炒めてから使うと良い。
  ・長期保存できるので冬至に食べても良いが、緑色のものを土用に食べても中風に効くかも。
  ・よくネットで見るのはダルマ型だが、上半分が長く伸びたものも別系統の本物。
  ・「素麺南瓜」や「バターナッツ」と良く交配するので、新品種づくりで遊べる。

「桂うり」
  ・「奈良漬」の原料として有名。白くなる頃には2kg超に巨大化するので家庭では無理。
  ・1kg未満の青っぽいものは、有名漬物店も使う浅漬け・調味漬け用。こちらがお勧め。
  ・ウイルス病など色々と弱いので長期・夏期の栽培は避け、5月上旬定植、7月収穫がお勧め。

「万願寺とうがらし」
  ・扱っていなかったので、リンク先はAmazonです。
  ・「万願寺甘とう」の使用品種はJAにのくに専用なので入手できない。
  ・入手できるのは在来系統が出回っていた頃の子孫。時々「当り」が出るので子供は注意。
  ・「甘とう美人」等のそれっぽい大型唐辛子はピーマンとの交配種なので辛くないが別物。

「賀茂なす」
  ・類似品種とは肉質が全く違うので、賀茂なす料理を作るならこれ一択。
  ・ヘタが3枚の株があったら、より原種に近いので、採種すると自慢できる。
  ・大きくしても良いが、普通のナスより超遅くボケやすいので、大玉トマトくらいで収穫。
  ・似ている「早生大丸」は、真ん丸で艶々で黒々なので良さそうだが別野菜。

Introducing Kyo-yasai (Kyoto Heirloom Vegetables): Available Seeds for Purchase

In the past, seeds for traditional vegetables were difficult to find. However, they have recently become available through online shopping. Today, we will introduce online stores where you can purchase them relatively easily.