紫ずきん

京野菜【紫ずきん】減収対策は高温対策ではなく硫マグ基肥?

 この記事では、京野菜「紫ずきん」の収量低下への対策として、京都府で一昨年から検討されている「硫マグ」の効果について紹介します。(紫ずきん01)

 「紫ずきん」は、京都府が全国に先駆けて提案した黒大豆枝豆です。当初は「秋に枝豆の需要なんてあるのかい」と言われましたが、現在では当たり前のように秋でも枝豆が提供され、枝豆の需要期拡大に貢献した取り組みと評価されています。(その点では、大型甘とうを広めた万願寺とうがらしと似ていますね)

 最初に動いたものがちやほやされる法則(O市場の偉い人談)により、出荷量は後発黒大豆枝豆産地に遠く及ばないものの他所より高値で取引されています。

*参考:京の産品図鑑 紫ずきん(JA京都)

減収続きは猛暑のせい?

 そんな作れば高く売れる「紫ずきん」ですが、最近農家の売上が大きく減少するという問題が出てきています。
 原因が品質の低下で単価が下がったのなら褌を締めなおせばよいのですが、ところが収量の大幅な低下が頻発しているというのです。なるほど、出荷しなければお金は稼げません。

 当然関係機関が調査を行い、出した答えが「猛暑=高温+過乾燥」でした。そして、府内全産地で高温対策の検討が始まりました。ただし、近年の研究機関では現地試験的なものが嫌われているようで、いきなり各地域の農業改良普及センターが思い思いの現地試験を行うこととなりました。

 うね内水分量を増やしたり、葉焼け病を防いだり、ホスプラスやってみたり、謎技術の聖地中丹ではかぶせ茶をマネて遮光したり。(育種の素性は触れません)
 ・・・ですが、何かしっくりこなかったようです。

 そんな時、京都府原種農場から朗報がもたらされました。ここはJA京都中央会の組織なのですが研究はしていません(中央会が農場を有するのは京都だけです)。
 しかし研究機関のOBがいらっしゃることが多く、番外圃場には何やら試験的なラベルが立っていたりするので、何かが行われているようですね。

 その情報というのは、もっと年配のOBから「収量を上げたいなら硫酸マグネシウムをやりなさい」とアドバイスがあり、やってみたら「めっちゃ取れた」というもの。

 基本に返って考えてみれば、そもそも大豆は高温に強いのではないでしょうか。根が深く張るから乾燥にも強いし。
 ということは、近年の減収傾向は、猛暑のせいというより、施肥体系の変化が問題なのでは?

 紫ずきんの施肥体系は、産地づくり当初の「基肥、土寄せ+追肥+マルチ」とは違い、大面積化・機械化に対応して「分解性マルチ+基肥一発、土寄せ・追肥無し」になっています。

 もし「基肥施用でも硫酸マグネシウムの効果がある」としたら、基肥一発体系を少し改良すれば良いことになります。これがうまくいけば、高温対策かどうかはさておき、近年の減収を大幅に改善できるかもしれません。

*参考:黒大豆枝豆における苦土資材による生育促進効果の検討(京都府農林水産部)
     ・丹後農業改良普及センターの重点課題として2024年から取り組まれています
     ・このような報告が本庁から出たというのは、これはイケるということなのでしょうか。

 硫酸マグネシウムに効果があるとしたら、硫黄なのか苦土なのかまだはっきりしないようですが、朗報には違いありませんので続報を待ちたいと思います。

Kyoto Vegetables – Murasaki Zukin:
Is Yield Reduction Caused Not by Heat Stress but by Insufficient Sulfur–Magnesium Basal Fertilizer?

Here is an introduction to the effects of sulfur–magnesium (S‑Mg) basal fertilizer, which Kyoto Prefecture has been studying since the year before last as a countermeasure against yield decline in the Kyoto vegetable Murasaki Zukin