プロ農家が実践している時期ごとの栽培管理について紹介します。今回は、7月に行っている作業の第3回で、海老芋の形を決定づける最後の土寄せについてです。(海老芋52)

第3回土寄せ
●7月中旬~末に「第3回土寄せ」を実施する。
・「第2回土寄せ」は、「秀」が「セミ」にならないようにする作業。
⇒5個目までの子イモの芽が、親芋の近くで立ち上がらないよう行う。
⇒遅くとも、7月初旬には終了しておく。
⇒芽が立ち上がってからでは手遅れ。
「手で芽を外に倒す」謎技術は、伝統技術を知らない人のネット仕入れ技術。
「親茎の外側を足で踏む」謎技術は、芋をクランク状に曲げてしまう最悪技術。
・「土入れ」という作業名は、ミスリードの原因となるので使用しない。
⇒親茎と子茎の間に「入れる」のではなく、子茎に「寄せて」埋める作業。
⇒子茎は「15cm」以上埋めるが、親茎はそのついでに土がかかるだけ。
「親茎を15cm~25cm埋める」謎技術は、苦労して長大な親芋を作るだけ。
・土寄せの基準は、作業ごとに場所と量が異なる。
⇒第1回は親茎に5cm、第2回は親茎に10cm、第3回は子茎に15cm。
⇒3回目に寄せる量が少ないと「丸」になりやすい。
⇒8月以降に寄せると「長」になりやすい。
●「第3回土寄せ」で曲げるのではなく、「セミ」にならないように肩を肥大させる準備。
・子茎が親茎から10cm以上離れていれば、土中で子芋はすでに曲がっている。
⇒子芋の芽は「第1回土寄せ」により促され、まず外側の葉柄を突き抜けて土中に出てくる。
⇒子イモの芽は、まず横に伸びようとするが、すぐに上に伸びたがる。
つまり、もう曲がりは発生している。
・「秀」を作るためには、「肩」が肥大するためのスペースを十分とる必要がある。
⇒そのままでは「セミ」になるので、「第2回土寄せ」により斜め上に向かわせる。
⇒ここで終ると、子芋が肥大するだけでなく親芋も肥大するので接触し「セミ」になる。
⇒もっと遠くへ伸ばすため「第3回土寄せ」を行う。
●土寄せ作業は3回に分けても良い。
・1/3は、垂直に伸びるのを防ぐため、親茎と子茎の間に土を置く。
⇒親茎を埋めることは考えず、子茎を横から押す感じに。
・2/3は、子茎を15cm以上埋める。
⇒親茎近くが凹んでいても気にせず、子茎に集中する。
・3/3は、子茎の外側に土を置き、孫芋の「こえびちゃん」を作るスペース作る。
⇒子芋の外側に発生するが、通路までは盛る必要がない。
⇒通路近くのうねを、寄せる土を増やそうとして削ると、根量が減るので厳禁。
●子芋を少し長めに作るため、慣行の15cmより多めに土寄せを行う。
・形の良い「秀」は、肩の直径の2倍以上の長さとされる。(JA京都の特に丹後)
⇒近年の「猛暑+長い残暑」は、芋の「肩」の肥大を著しく促すため。
●土寄せ作業の前に、通路へ「第3回追肥」を行う。
・この追肥は、最後の正規分なので、大量の有機肥料だけでなく緩効性化成も配合する。
⇒今回は大量なので、速効の化成肥料は使用しない。
・土寄せのための耕耘時に、追肥が土に混ざり、通路とうねの上に配置される。
⇒通路の追肥は、うね間潅水時に肥効を発生させる。
⇒うねの上の追肥は、降雨時に肥効を発生させる。
●作業は「管理機+ジョレン」で行う。
・特に今回は絶対にトラクターを使用しない。
⇒根量激減で、水だけでなく追肥も吸えず、生育最盛期が生育停止期に。
・通路を管理機で耕耘し、できれば「培土板」ではなく「ラセンずき」でうねの上に土を乗せる。
⇒親茎まで飛ばす必要はなく、子茎が埋まるように飛ばす。
・通路をまっすぐ移動し、うねをできる限り耕耘しない。
⇒うねの中、特に通路近くは良い根が密生しているので、痛めてはいけない。
・うねの上に飛んだ土を「ジョレン」で整え、子茎をしっかり埋める。
⇒ジョレン(下の写真)は、大きく軽いものが良い。
柄の角度は、作業性に大きく影響するので。店舗でこだわって選ぶ。
⇒うね上の土だけを使用し、うねは削らない。
⇒通路横に「元のうね」が残っていてもかまわない。
その部分は良質な根の塊なので、そっとしておく。

●「第3回土寄せ」は作業をかん違いしやすいので、慣れない内は現地講習会のOJTに参加する。
●土寄せが終わったら「芋づくり」が始まる。
・土寄せ作業の直後から、うね間潅水を開始し、速やかに追肥の肥効を発生させる。
⇒少量で良いので、毎日実施するとより良い。
・「摘葉」作業を行い、親茎をいじめ、子茎の生長を促す。
⇒親の葉がじゃまなら、土寄せ作業の前に行っても良い。
Kyoto Vegetables – Ebi‑imo (Taro): Key Cultivation Tips from Professional Growers (July ④ – Third Earthing‑up)
This article introduces the month‑by‑month cultivation practices followed by professional growers.
In this installment—the third set of tasks carried out in July—we focus on the final earthing‑up, a crucial operation that determines the characteristic shape of Ebi‑imo.

