海老芋

京野菜【海老芋】プロ農家が教える栽培のポイント(8月②うね間潅水)

 プロ農家が実践している時期ごとの栽培管理について紹介します。今回は、8月上旬に行っている作業で、これまでとは別次元で実施する「うね間潅水」についてです。(海老芋56)

基本は「少量でも毎日」

 海老芋栽培において圃場乾燥は厳禁です。特に盛夏期は減収に直結する様々なリスクが高まってしまうので、「通路」は一時でも乾燥させないよう、積極的な潅水が必須となります。

 大切なことは、「圃場全体へ時々たっぷり」ではなく「通路が湿るように毎日」です。これ原則とし、以下に述べる6つのポイントに注意して実施してください。

①潅水方法は「うね間潅水」です。
 これは栽培期間をとおして共通の潅水方法です。時期による違いは「量ではなく間隔」です。

②梅雨が明けると真夏日が続くと予想されるため、潅水頻度は「毎日実施」を基本とします。
 毎日が無理でも、通路まで乾かしてしまうくらいサボるのは厳禁です。
 通路に「ひび割れ」を発生させるのは論外です。
 通路は「吸水と吸肥」を行う場所なので良い根が集まっています。
 株元じゃないからOKと、うねの上を歩くのも厳禁です。

夕方に潅水して一晩放置し、朝にまだ溜まっていたら排水します。
 湛水のままや、日中に湛水すると、溜まっている水がお湯になり、根が煮えてしまいます。
 猛暑日なら40℃越えの温泉になりますが、水が抜けていれば気化熱で地温上昇を緩和できます。

④潅水量は「うねの法面に湿りラインが付く」程度でかまいません。
 ただし、回数を多く(できれば毎日)するのが生育を止めないコツです。
 水はけを考えて排水口側が低くなっていますが、少量潅水なら圃場全体を湿らせられます。
 たっぷり潅水して油断すると、圃場勾配による乾きやすい場所から乾燥害が発生します。
 圃場が湿り続けることで、安定した肥効が発生し、増収に直結します。

⑤潅水間隔を空けすぎると、「葉枯れ」により生育が停止します。
 いくら光と養分があっても、子芋に葉が無ければ、子芋は肥大しません。
 また、Caは水で移動するので、孫芋に「芽つぶれ症(Ca欠乏)」が発生しやすくなります。
 孫芋は「こえびちゃん」として高く売れますが、芽の無いものは下物となります。
 さらに、孫芋は良い種芋になりますが、芽がなければ使用できません。

⑥ハダニは梅雨に発生を始めており、梅雨明け後に乾燥状態が続くと大量に増殖します。
 圃場全体で多発リスクを高めるので、圃場湿度の低下を防ぎましょう。
 初夏の発生は飛び込み成虫ですが、盛夏期になると多様なステージが混在しています。
 8月は多発リスクが高まる時期なので、良い「殺ダニ剤」による早めの予防防除が必要です。
 薬剤防除を行う時は、同時にハスモンヨトウの防除も検討しましょう。

Kyoto Heirloom Vegetable: Ebi-imo Taro | Professional Farmer’s Growing Guide (August Part 2: Furrow Irrigation)

We will introduce the seasonal cultivation practices used by professional farmers. This time, we are featuring “furrow irrigation”—an early August task that we are taking to an entirely different dimension.