辛味だいこん

京野菜【辛味だいこん】超小型大根なので播種は密植

 「辛味だいこん」の栽培方法は農家により諸説ありますが、今回は研究機関で行われている方法を紹介します。(辛味大根03)

●圃場準備
 ・土づくり:直接な効果より、圃場への腐植補充として「完熟堆肥」2t/10a。
       好適pHは弱酸性なので、酸性雨対策としては少な目の「苦土石灰」60kg/10a程度。
       「BMようりん」はムダなのでいらない。
 ・基肥:生育初期に肥効が高くてもしょうがない。元々焼き畑栽培なので施肥量は少な目。
      「CDU燐加安S682」の施用例⇒60kg/10a(良い圃場ならもっと少なくても良い)
       *この肥料は京野菜の試験では定番なのでデータが多く、色々なものに使用できる。
     生理障害は出にくいが、保険のつもりでホウ素の入った「F.T.E」を施用。
      「F.T.E」の施用例⇒4kg/10a(根酸で吸収されるので基肥でしっかり混和)
      少量過ぎてまきにくいので、砂と混ぜて増量してから散布する。
 ・追肥:超小型の早生なので、痩せた圃場でなければ、追肥は施さない。

●播種
 ・時期:9月初旬という情報をよく目にするが、特に意味はなく「研究所の展示の都合」による。
     ただし「うさぎ」等の早生大蕪同様ウイルス病に弱いので、対策無いなら晩夏は避ける。
     9月前半に播くのが一般的。下旬以降は気温・地温が急に下がり生育遅延が甚だしい。
      播種が1日遅れると、収穫は1週間遅れるので、年越し蕎麦に間に合わないかも。
 ・うね:超小型の大根だが、播き方が特殊なので、うね幅は狭くせず、1.5mが良い。
 ・播き方:伝統的な播き方は「雁木播き」とする。
      「雁木播き」は、うねと並行ではなく「直角」に筋をつけて播く条播きの一種。
      条間は15cm程度とし、土寄せを考慮してあまり狭くしない。
      1か所2~3粒の点播きを行う時は、5cmの肥大を考慮し株間は10cm以上とする。
      条播きする時は、間引き時に株間を10cm以上とする。

●間引き
 ・時期:発芽後に、速やかに間引きを行う。
 ・方法:作業は「引き抜き」厳禁。根菜は100均ハサミで「切除」が基本。
 ・形質選別:この時、芽の状態だけでなく「胚軸の色」にも注意する。
       現存する系統には、胚軸が白いものと紫のものがあり「白軸」が良いとされる。
       採種時にあまり考慮されないため、市販種子でも混ざっていることが多い。
       状況にもよるが、間引きは「白軸を残す」ように行うと良い。

●土寄せ
 ・時期:間引きの後の、葉が邪魔になるまでに。
 ・方法:「三角ホー」により、条間を耕し、株元へ培土を行う。

●追肥
 ・時期:土寄せ作業前に、「速効性化成肥料」を条間に施用し混和させる。
      「燐硝安加里1号」の施用例(/10a)⇒N:P:K=3kg:3kg:2.4kg
       *速効性で根菜むきならなら何でもよい。
 ・潅水:降雨が無いなら潅水も実施する。追肥の任務完了は、行為ではなく、肥効が大切。

●病害虫防除
 ・時期:早播きしなければ特に必要なし。
 ・キスジノミハムシ:梅雨前から「太陽熱抑草」を行っていれば待ち伏せ産卵されない。

●収穫
 ・適期:直径5cmくらいに肥大したら収穫適期。
     収穫時は葉付きだが、葉はたいてい食べない。
 ・食べ方:①地上部は、地際部の茎部分ではなく根部分で切除する。
      ②逆さにして、尻尾の付け根を、人差し指と中指で挟んで、逆さに持つ。
      ③尻尾を中指に数回回し、手のひらの中に固定する。
      ④こうすることで、おろしでする時にしっかり持つことができる。

*参考:そばの味を引き立てる伝統野菜 京都市が栽培委託で絶滅防ぐ(朝日新聞)

“Because Karamidaikon is an extremely small radish, the seeds are sown at high density.”

Although cultivation methods for Karamidaikon vary from farmer to farmer, here I will introduce the method used by research institutions.