海老芋

京野菜【海老芋】プロ農家が教える栽培のポイント(8月③臨時の追肥)

 プロ農家が実践している時期ごとの栽培管理について紹介します。今回は、8月に行っている作業で、肥効の低下に対応するための「臨時追肥」について紹介します。(海老芋58)

臨時の追肥

 7月に行った第3回土寄せと同時に、第3回追肥も行われています。この追肥は、最後の正規の追肥となるため、栽培後半、特に超生育旺盛な8月の肥効を安定的に確保するため、窒素量が多いだけでなく緩効性も重視しています。

 施肥基準どおり施用していれば肥切れすることは無いはずなのですが、8月は毎日のうね間潅水を推奨しているため、砂が混ざっているなど圃場の土質によっては、8月後半に肥効が低下する事例もあります。

 8月に肥効が低下すると、葉の黄化などにより地上部だけでなく、子芋も肥大が停止しかねません。さらに、汚斑病の発生が圃場全面で深刻な高まりを招きます。この両方が出てしまったら、今年の収益は絶望的になります。
 そのため、8月後半も良好な肥効が続くよう、臨時の追肥を検討しなければいけない場合があります。

臨時追肥はうね間に施用

 葉色が薄くなった等肥切れの兆候が見られたら、早急に化成肥料による臨時追肥を実施しましょう。肥料の種類は、速効性を第一にするため「オール14」などの高度化成肥料を用います。

 特別栽培(京都のブランド出荷なら京都こだわり農法)を行っている方で、窒素施用限度に達してしまっている場合は「油粕」でしのぎます。「油粕」は有機由来窒素が100%ですが、半分は速効性の性質があるからです。

 ただし、施用量が多くなるので、次作からは臨時追肥を想定し「有機肥料主体の追肥」で施肥基準を修正しましょう。

 しかし、ここで問題が出てきます。追肥を土壌混和するために、圃場へ管理機(トラクターなんてもってのほか)を入れるわけにはいかないのです。断根しますからね。
 そのため、臨時追肥の施用方法は「通路+うね間潅水」一択です。

 通路に施用すると、雨が降らなくても「うね間潅水」によりすぐ溶かすことができますし、うねの肩まで良い根が張っているので、溶けた肥料はすぐに吸収され、追肥直後から肥効が回復します。

 なので、うね間潅水とのセット作業は必須になります。また、高度化成肥料を使用するのは、うね間潅水によりすぐ溶けて、液肥として作用させようというわけなのです。

 ところが、うねの上に施用してしまうと、雨が降るまで肥効が現れません。株元なんてもってのほかで、葉が茂っているため雨が当たりませんし、そもそも良い根が張っていないので、せっかく働いたのに肥切れがどんどん進行してしまいます。

 最近の栽培講習会で、なぜか「株元追肥」が始動されていることがあるらしいです。さすがにまずいので、先生に恥をかかせないよう後でエビデンスを質問した方が良いです。

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