プロ農家が実践している時期ごとの栽培管理について紹介します。今回は、8月上旬に行っている作業で、親茎と子茎の生育を逆転させるための「摘葉」についての2回目です。(海老芋54)

ダメな葉の切り方
まず、葉の切り取り方を説明します。よくある方法は「茎ごと株元から切除する」ですが、これでは作業が大変です。そして、何か効果があるのかというと、何もないです。
いや、ただ一つありました。「美味しい赤ズイキ」が収穫できることです。太い所も短冊に切って食べることができます。何本かを束にして、日陰に一晩吊るしておくと、皮がむきやすくなります。青ズイキより数段美味しいですよ。でも、今は海老芋を作る話をしているので、この話は無しです。
猛暑の中、こんな重労働はやめましょう。しかも「切除した茎葉は持ち出しなさい」という黒指導がセットになっていたりするので、熱中症リスクが爆上がりです。
お勧めする葉の切り方
最も一般的な葉を除去する方法は「葉を茎についているところで切除」です。そのため「摘葉後」は茎だけが立っている状態となります。
では、残した茎はどうなるのでしょうか。結局は持ち出さなければならないのでは、手間を先送りしただけではないのでしょうか。大丈夫です。
葉を切除されたため茎は次第にしおれ、最後には枯れてしまいます。そのため、持ち出さなくても、ほっておけばいいのです。
連作障害の元になるという意見があり、海老芋が変な物質を土中に出すというのは確かにそうなのですが、だからといって茎葉だけ持ち出したら改善されるというわけでもないです。どうせ地下部の残さで連作障害が進みまますから。
猛暑の中変な作業をせず、近所の農家へ行って「来年、海老芋用に水田を貸してくれないか」などと麦茶を飲みつつ話をした方が良いです。
下の写真は、親茎が退化し、残した茎が干からびている状況です。どうしても持ち出したければ、こんなふうになってからの方が楽ですよ。

また、むしろ茎だけでも残しておくと、強風が吹いた時に「株の揺れが緩和」され被害が軽減されるメリットもあるぞ、という人もいます。
葉の減らし方は2段階で
「摘葉」作業は、親茎の葉を減らすため、次のような手順で実施します。
①まず、2枚の管理から始めます。2枚というのは「展葉した茎が2本」という意味です。
親茎の展開葉を、新しい2枚を残し他はすべて切除します。
例えば、葉柄が5本なら、古い茎から3本の葉を切除し、茎だけ3本+葉付き2本とします。
②数日後から圃場を観察し、新葉の発生を見つけます。
株の中心から新しい茎が立ち上がり展葉したら、一番古い葉付き茎1本を「摘葉」します。
この作業を繰り返すことで、葉付き茎2本の状態を継続します。
③この2枚の管理を10日から2週間程度継続したら、次は0枚の管理に移行します。
④0枚というのは「葉を展葉させない」という意味です。
開始時は、展葉している2本の茎も「摘葉」し、親茎の葉をすべて無くしてしまいます。
⑤株の中心から新しい茎が立ち上がってきたら、展葉する前に「切除」します。
この作業を繰り返すことで、親茎に葉が付いていない状態を継続します。
葉のない茎は次第にしおれ、新しい茎葉は発生時に切除されるため、親茎は退化していきます。
⑥0枚の管理は、9月前半まで継続します。
ただし、9月に入ると新葉の展葉はほとんど起こらなくなるので作業は楽になります。
下の写真は、2枚管理を終了し、0枚管理を開始した株の状況です。株の葉は、全て子茎のものになりました。

「摘葉」作業をまとめるとこんな感じです。
●土寄せ後に子芋を肥大させるため、親芋の葉を「摘葉」し子芋の葉に光を当てましょう。
●「摘葉」は土寄せ後から開始します。
最初の10日~2週間は2枚、以後は0枚で管理し、9月上旬まで続けましょう。
●「摘葉」は、葉だけを切除し茎を残すことで風対策が期待できます。
残した茎は、葉を失ったため自然に枯れます。
●「摘葉」で親芋は勢いが弱まり、さらに子芋の葉で日陰となり萎縮していきます。
そのため、親茎の切除は必要ありません。
●8月に入っても子茎が発生しますが、親芋の衰え、子茎の繁茂で肥大が停止するので放置します。
いわゆる「芽ぞろえ」は必要ありません。
Kyoto Heirloom Vegetable “Ebi-imo” (Shrimp Taro): Cultivation Tips from a Pro Farmer (August #1 Defoliation – Part 2)
Here is an introduction to seasonal cultivation management practiced by professional farmers. This second video focuses on “defoliation,” a task performed in early August to reverse the growth relationship between the main stem and the side shoots.

