プロ農家が実践している時期ごとの栽培管理について紹介します。今回は、8月上旬に行っている作業で、親茎と子茎の生育を逆転させるための「摘葉」についての1回目です。(海老芋53)

第1回土寄せを含む、定植後の初期生育を旺盛にする目的は、親株を早く成長させ、子イモの芽(子茎)の早期発生を促すことです。親茎の地際部の下から、将来「秀」となる子イモの芽を、できるだけ早く5つ出させる必要があります。
第2回土寄せの目的は、せっかく発生させた子芋が、親芋の近くで肥大し、親芋と子芋が接触し、「セミ」にならないようにすることです。
第3回土寄せの目的は、5つの子芋が肥大するための「土中の環境」を整えることです。ここまでが7月までの作業となります。
全ての土寄せが終了した8月から行う、栽培後半の作業目的は、発生した5つの「秀」予備軍を順調に肥大させることです。言いかえると「まだ短い子芋を、親芋と干渉しない場所まで伸ばし、肩を張らせ、秀の形に生長させる」となります。
特に8月は、栽培期間中で一番「肩」が肥大するシーズンです。海老芋にとって猛暑・酷暑は、潅水さえ適正に行えばとても良い季節なのです。
そして、最近残暑が厳しいので、9月~10月上旬も肥大させることができれば、子芋の肥大日数を70日確保できます。
しつこく繰り返しますが、肩を張らせる時期は8月です。8~9月に土寄せを遅らせて、9月の残暑のみを利用する最近の謎技術でもまあできますが、運悪く台風が直撃し葉が無くなれば、子芋は養分の供給を絶たれます。
そのせいで肩の張りが減速したら、伸びたけれど肩の張りが悪くて「長」なのに努力したので後には引けないので「秀」でいいだろう的な困った芋の出来上がりです。でも収量は1tを超えているのに単価が低いので農家はプンプンです。知らんけど。
根から吸った肥料が直接子芋へ行くわけではないことを思い出してください。(光合成というやつです)
土寄せが終わったら摘葉開始
真夏の太陽をたっぷり浴びせて生育を旺盛にするのは、親ではなく子です。むかし地上部を放任管理してみた時には、草丈が2m以上になってしまいましたが、子芋はそんなに大きくはなりませんでした。
親の地上部は、地下部(親芋)の役目が終わる盛夏以降は、放任しては良くないことがわかりました。
7月までは、親芋の力をいただいて子芋を育てていきますが、子芋の地上部が大きくなってきたら、追肥の養分は子芋の地上部で光合成させ子芋に蓄えさせたいですよね。(かなりイメージ優先の説明ですいません)
この時一番邪魔になるのが「親の葉」です。株元に日陰を作って雑草を抑えてくれるのはありがたいのでずが、子芋の葉にも光が届きません。これでは、子茎の光合成に支障が出まくりなのです。
土寄せが終わった時点(7月末)では、子芋の地上部は親芋の日陰になってますから、親芋の葉を取り除く必要があります。下の写真は、親茎の葉を2枚とした株ですが、まだ子茎は日陰に甘んじています。

摘葉で親と子を逆転
「摘葉」の目的は「親茎の葉を少しずつ除去し、株元で生育中の子茎に太陽光を届け、親茎が弱りだした時に子茎を急成長させ、8月まつまでに株の茂り方を親から子へ逆転させる」ことです。
この地上部の転換により、8月後半から茂っている葉は全て子芋の葉とし、親芋を退化させ、子芋だけを肥大させていくことができます。
しかし、いきなり親の葉を全て無くしてしまうと、まだ子芋へ養分を送っている最中なので、子芋地上部の生育が遅延してしまいます。
そのため「摘葉」は、枚数を段階的に減らしていく「ひと手間」が必要となります。
次の写真は「摘葉」前後の株の状態です。上の写真が8月上旬の摘葉開始時で、親茎の2枚の大きな葉が子茎を覆っています。下の写真が9月上旬の摘葉終了時で、子茎の葉で株が覆われ親茎は見えなくなっています。
こんな感じに、草丈は変わらないのに、茂っている葉を親から子へ変化させるのです。(この圃場では2t取りできました)


Kyoto Heirloom Vegetable “Ebi-imo” (Shrimp Taro): Cultivation Tips from a Pro Farmer (August #1 Defoliation – Part 1)
Here is an introduction to seasonal cultivation management practiced by professional farmers. This first video focuses on “defoliation,” a task performed in early August to reverse the growth relationship between the main stem and the side shoots.


