海老芋

京野菜【海老芋】今年の生育状況は(9月末)

 今年の9月は、例年続いていた厳しい残暑が無かったため、その影響が海老芋の生育にどう現れているのか気になったので、京都府北部の丹後地域の栽培圃場を見てきました。(海老芋67)

 今年も猛暑がひどかったですが、昨年と違い9月に入ってからは、いきなり秋らしい気温になるだけでなく、秋雨前線が居座り、さらに台風も次々とやってきたため降水量が急増しました。
 海老芋の肥大にとっては「猛暑・残暑上等」なのですが、後半の残暑が無かったのは気になります。上の写真のように、雨水をためるだけでうね間潅水できるのは楽ちんなのですが、すぐに排水しても想定以下に地温が下がっていそうです。

 というわけで、8月も安定した生育を見せていた丹後地域の栽培圃場が、この秋の天候でどう変化しているのかを見てきました。

 全ての圃場を見て回るわけにはいきませんので、夏に見た圃場を観察しましたが、9月の終わりになっても株がしっかりしていて、黄化も始まっていません。
 ただし、秋雨のおかげで8月のダメージを回復し「株が立派に見えだした」というのではダメです。いまさら良くなっても収量・品質は回復しませんから。

 しかし、株元を見るとそんな感じではなく、1株当り3本以上の子茎で、地際部の直径が目標値を上回っています。「子芋の肩の張りは子の直径以上」ですから、株あたり3個以上の秀4Lを狙えそうですね。
 さらに株がしっかりしているため、10月に入ってからの「こえびちゃん」の肥大も期待できそうです。

 ところが、様々な条件の組合せの影響により、株の様子が大きく異なる圃場もありました。次の2枚の写真がそうです。

 2枚とも谷筋の奥にある圃場なのですが、1枚目は株がまだしっかりしていますが、2枚目は黄化が進みヘタレだしています。
 1枚目は砂壌土で2枚目は粘土質の圃場なので、土質が関係しているのかもしれませんが、土質が直接影響したというより、土質に合わせた管理方法の違いが出たように感じます。
 ただし、以下で述べますが、どちらの圃場の収量も平均以上になりそうなので、深く考えるのはやめにしました。

 ここで注意して見たいのが、2枚目のヘタレ方です。黄化していますが、肥切れの感じではありません。また、傷んでいますが、汚班病が蔓延しているわけでもありません。
 「今年はもう店じまい」の感じなので、収穫適期が来ただけのようです。

 下の写真は、2枚目の圃場の株元です。子茎の直径は、なかなか良い太り方を示しています。子芋の肩の張りは、子茎地際部の直径以上ですから、収穫適期でこの感じなら秀の4Lを3個以上狙える感じです。

 これは、8月の管理・生育が良好で、9月までに4Lの肩張り直前まで太っていたため、9月のマイナス要因の影響を乗り越えた証拠でしょう。
 ここまで子茎が太くなっていれば、丹後地域の目標単収・1300kg/10a達成は間違いないと思います。

 ただし、収穫適期が早まったことから「こえびちゃん」の肥大は抑えられているかもしれません。とはいっても、1株当り1袋以上は取れると思うので、それほど困ったことにはならないでしょう。

Growth status of Kyoto heirloom vegetable ‘Ebi-imo’ (As of late September this year)

As this year’s September lacked the severe late-summer heat typical of recent years, we were interested in its impact on Ebi-imo growth. Consequently, we conducted a field inspection in the Tango cultivation area of northern Kyoto Prefecture.